15代王・光海君(クァンヘグン)は、朝鮮王朝27人の王の中で10代王・燕山君(ヨンサングン)と並び、暴君と言われていますが、最近では、民を思う名君として見直されています。
これを知るとよりドラマが深く理解できます。
詳しくは>>【廃位された王】燕山君と光海君は実際に暴君だったのか?をご覧ください。
ここで、ご紹介する光海君をモデルにしたドラマ7選は次のとおりです。
2.ノクドゥ伝
3.ポッサム〜愛と運命を盗んだ男〜
4.華政
5.王の女
6.火の女神ジョンイ
7.王の顔
光海君が登場するドラマ7選
まずは、最新のドラマ「王になった男」から説明していきますね。
王になった男のモデルは光海君
最も新しい光海君をモデルにしたドラマです。
平均視聴率:8.4%
最高視聴率:10.8%
評価:4.1*
おすすめ度:5
製作年:2019年
監督:キム・ヒウォン
脚本:キム・ソンドク、シン・ハウン
出演:ヨ・ジング、イ・セヨン
*国内最大の映画・ドラマのレビューサイトFilmarksでの評価を参考にしています。
史実として語られる光海君の2面を上手く生かした物語となっています。
残虐な暴君の光海君が実の王であり、民を思う聖君の光海君が王に成り代わる道化師ハンソであるというストーリーです。
映画ではイ・ビョンホンが初の時代劇で出演して、韓国で1000万人を動員した大ヒット映画になりました。
トンイのハン・ヒョジュが映画版「王になった男」で王妃役を演じています。
この大ヒット映画をリメイクしたのがヨ・ジングが演じるドラマの「王になった男」です。
映画ももちろん良いですが、私はドラマの「王になった男」がおすすめです。
理由は、映画にはない次の内容です。
・光海君は名君となる
・ホッとするエンディング
特に、映画ではなかった道化師ハソンと王妃との愛はドラマ「王になった男」の見どころの一つです。
また、ヨ・ジングの王の二役も素晴らしく、瓜二つですが性格が全く違う二人を見事に演じ分けています。
快活な道化師ハンソと鬼気迫る王。
ドラマに引き込まれるヨ・ジングの演技をぜひ御覧下さい。
光海君を道化師が代わって民を思う政治を行うことで、結果として光海君は名君になります。
従来の暴君の光海君と現代の再評価の光海君を同時に見ることができます。
また、王妃役のイ・セヨンは宮廷女官チャングムの誓いでチャングムのライバル・クミョンの子役でした。
今や国民的大女優になったイ・セヨンの切ないラブストーリーも見どころです。
イ・セヨンさんの詳しいことは>>チャングムでクミョンの子役は今?【国民的な大女優イ・セヨン】をご覧ください。
光海君に秘密の子供がいた!ノクドゥ伝~花に降る月明り~
光海君を扱った最新の時代劇ドラマです。
平均視聴率:6.2%
最高視聴率:8.3%
評価:4.0*
おすすめ度:4
製作年:2019年
監督:キム・ドンフィ、カン・スヨン
脚本:イム・イェジン、ペク・ソヨン
出演: チャン・ドンユン、キム・ソヒョン
*Filmarksでの評価を参考
人気ウェブ漫画が原作のラブコメ時代劇なので気楽に楽しめます。
しかし、史実には存在しない光海君の子供が成長してからの物語で事実とは違った物語展開です。
光海君が自分の王座を脅かすものを徹底的に排除していく思想は史実の光海君を忠実に描いています。
異母弟の幼い永昌大君(ヨンチャンデグン)とその母・仁穆王后(インモクワンフ)を幽閉してしまいます。
自分の実の子であるノクドゥでさえ王座を脅かすものとして排除しようとします。
ドラマでは、王座に固執して次第に正気を失っていく光海君が描かれています。
ノクドゥ伝について詳しくは>>ノクドゥ伝は実話なのか?【物語が生み出された真実とは】 を御覧ください。
前半はラブコメディで思わず笑ってします場面も多いですが、後半はシリアスな展開になっています。
ヒロインには時代劇の女神と言われるキム・ソヒョン、主人公のノクドゥには時代劇初挑戦のチャン・ドンユンが共演しています。
最後の最後はもう一捻り欲しいところですが、サラッと終わった感じですね。
綾陽君(ヌンヤングン)と対峙するまではすごく良かったので少し残念です。
花に降る月明り?どっかで聞いたようなタイトルと思いませんか?
そうです!
「雲が描いた月明かり」
脚本家が同じイム・イェジンなんです。
光海君の娘が主役のポッサム〜愛と運命を盗んだ男〜
光海君が主役のドラマではないので、3番目に順位付けしましたが、内容の面白さは1位、2位でもおかしくない内容です。
その面白さは、韓国放送局のMBNでドラマ歴代No.1の視聴率をだしたことでも分かります。
平均視聴率:7.1%
最高視聴率:9.8%
評価:3.6*
おすすめ度:4
製作年:2021年
監督:クォン・ソクチャン
脚本:キム・ジス
出演:チョン・イル、 クォン・ユリ
*Filmarksでの評価を参考
光海君の時代に発生した事件「癸丑獄事」を基にしたフィクションです。
光海君が主役ではありませんが、王様と王妃の関係が丁寧に描かられいます。
また、史実でよく名誉回復された記事を見かけますが、両班の身分を剥奪されて没落した一族の没落後の酷さと身分回復後の裕福な状況の違いがよく分かります。
光海君のドラマには欠かせない人物、イ・イチョム、キム・ゲシ、キム・ジャジョムなども登場しています。
ポッサムの実話については>>韓国ドラマ「ポッサム」の実話【バウは実在した人物だった】を御覧ください。
ストーリーもよく、光海君を別の角度から見るのに良い作品です。
光海君の腹違いの妹が主役の華政
光海君を貞明公主の視点で描いています。
光海君の時代に起こった事件は史実に忠実に描かれており、光海君の時代全般を知るには一番良い作品です。
平均視聴率:9.9%
最高視聴率:11.8%
評価:3.6*
おすすめ度:4
製作年:2015年
監督:キム・サンホ、チェ・ジョンギュ
脚本:キム・イヨン
出演:チャ・スンウォン、イ・ヨニ
*Filmarksでの評価を参考
ここでは、光海君は暴君ではなく理想を目指す魅力的な人物像として描かれています。
兄弟を殺したのは、彼の周りが行ったことで光海君の指示ではないと。
貞明公主は実在する人物で光海君の腹違いの妹にあたりますが、史実では弟が光海君に殺され、母親の仁穆大妃と慶運宮で幽閉生活を送っています。
しかし、ドラマでは貞明公主を波乱万丈の人生で描きなおしました。
貞明公主は権力闘争により殺されかけますが、命からがら宮殿を脱出します。
しかし、逃走中に捕まり日本に連れて行かれ男性としを見を隠して生き抜きます。
何とか、韓国に戻った貞明公主は光海君の心の内を知り兄として再び尊敬、真の敵と戦っていくストーリーとなっています。
王の女は光海君と女官(金尚宮)のラブストーリー
平均視聴率:7.0%
最高視聴率:11.7%
評価:4.6*
おすすめ度:3
製作年:2003年
監督:キム・ジェヒョン
脚本:ユン・ジョンゴン
出演:チソン、パク・ソニョン
*Filmarksでの評価を参考
光海君が惹かれる女官は光海君が王になることを願いながら、光海君の父14代王・宣祖の女官となります。
女官として光海君に思いを寄せながらも、光海君の父である国王・宣祖の寵愛を受け苦悩する金尚宮の波乱万丈の半生が描かれています。
光海君の違った一面を見ることができるドラマです。
また、宣祖と光海君の親子二代に仕えて妖女と呼ばれた王の女「金尚宮」を知るにはおすすめの作品ですよ。
火の女神ジョンイの光海君は人間味ある王子
幼いときに主人公のジョンが光海君と山の中で運命的な出会いするというストーリーです。
平均視聴率:9.2%
最高視聴率:12.0%
評価:3.4*
おすすめ度:3
製作年:2013年
監督:パク・ソンス、チョン・デユン
脚本:クァン・スンギュ、イ・ソユン
出演:ムン・グニョン、イ・サンユン
*Filmarksでの評価を参考
光海君は暴君ではなく、ジョンに協力的な人間味ある王子として描かれています。
物語の中では、とっても優しい、常に民のことを考える王子ですよ。
初めて、女性として韓国で沙器匠になった陶工(とうこう)ユ・ジョンの半生描いた作品です。
ユ・ジョンは実在の人物・百婆仙(ペクパソン)がモデルです。
和歌山の有田焼を作った人なんですよ。
百婆仙は、豊臣秀吉の時代に無理やり日本につれてこられ、九州で多くの陶工を育てています。
そして、和歌山で日本を代表する焼きもの「有田焼」を作り上げます。
ユ・ジョン役はムン・グニョンさんで風の絵師でも男装してましたね。
王の顔の光海君は名君
観相師から王になってはいけない顔だと言われてた光海君の父・宣祖が王になるべき顔を持って生まれた息子・光海君を冷遇する話です。
平均視聴率:7.2%
最高視聴率:9.1%
評価:3.5*
おすすめ度:3
製作年:2014年
監督:ユン・ソンシク、チャ・ヨンフン
脚本:イ・ヒャンヒ、ユン・スジョン
出演:ソ・イングク、チョ・ユニ
*Filmarksでの評価を参考
人間の顔の相が運命を表すという「観相」がテーマのちょっと珍しいドラマです。
光海君は実は、現代では歴史的評価も非常に高い王でありますが、この作品では光海君を名君として描いています。
現代の感覚で見た名君・光海君を知ることができますよ。
もちろん、カヒ(キムゲシがモデル)が光海君の幼なじみであったことや、架空人物で物語のキーマンであるキム・ドチが絡むエピソードはフィクションです。
詳しくは>>王の顔の若き光海君の実話を徹底解説【史実の光海君の実像とは】
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光海君が登場するドラマ(番外編)
光海君が登場するドラマは、韓国時代劇の中でも一番多いのではないでしょうか?
ここで紹介した以外のドラマをご紹介しますね。
・朝鮮王朝五百年 壬辰倭乱(1985年)
・宮廷女官キム尚宮(1995年)
・ホジュン 宮廷医官への道(1999年)
・ホ・ギュン 朝鮮王朝を揺るがした男(2001年)
・不滅の李舜臣(2004年)
・快刀ホン・ギルドン(2008年)
・タムナ 〜Love the Island〜(2009年)
・ホジュン〜伝説の心医〜(2013年)
・看書痴列伝(2014年)
・軍師リュ・ソンリョン ~懲毖録~(2015年)
宮廷女官キム尚宮
宮廷女官キム尚宮でキム尚宮を演じているのは、何とチャングムを演じたイ・ヨンエです。
しかも、光海君を王にするために悪事を凝らすチャングムとは真逆の悪女を演じています。
このドラマは1995年に放映されているので、「宮廷女官チャングムの誓い」より8年ほど先に撮影されています。
光海君の即位前後の史実もよく分かるドラマです。
チャングムのイメージが強いイ・ヨンエさんのファンには、ドラマを見るのが少し辛いかもしれません。
ホジュン 宮廷医官への道
「ホジュン 宮廷医官への道」は、韓国時代劇の巨匠・イ・ビョンフン監督の最初の大ヒットドラマです。
このドラマは、伝説の医者・許浚(ホ・ジュン)の生涯を描いたドラマです。
許浚は光海君の時代に、今でも漢方医学の基礎教材として使われる「東医宝鑑」を完成させた名医です。
快刀ホン・ギルドン
快刀ホン・ギルドンは許筠(ホ・ギュン)という小説家が書いたハングル最古の小説「洪吉童(ホン・ギルドン)」が元になったドラマです。
主人公のホン・ギルドンは実在した盗賊で、韓国では桃太郎のように知らない人はいない超有名なスーパーヒーローです。
実在のホン・ギルドンは燕山君が王の時に、義禁府に逮捕されたと記録されていますが、小説の王は光海君がモデルとされています。
これは、小説「洪吉童(ホン・ギルドン)」を書いた許筠のときの王が光海君だったからです。
そこで、小説「洪吉童」に出てくる王は、燕山君と光海君をミックスしたような王になっているんですね。
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まとめ
暴君とも名君とも言われる光海君ですが、同一の人物を様々な切り口で見るのも面白いものです。
特に、光海君をモデルにしたドラマは数多く作られています。
それほど、話題性がある人物なのでしょう。
先に上げたドラマ7選をベースに光海君を知り、韓国時代劇をより楽しんで下さい。