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仁宗の家系図と生涯【朝鮮王朝で最も短命だった王】

仁宗は在位はわずか8か月という短命の王でした。名君の資質をもった王だったと言われています。

この記事では、仁宗の家系図から彼の人物像、家族構成、そして毒殺説もささやかれる波乱の生涯を詳しく解説します。

仁宗の家系図

仁宗は中宗と2番目の妃である章敬王后の間に生まれました。母親の章敬王后の家系は多くの王妃を出した名門中の名門・坡平尹氏でした。

仁宗は息子に恵まれず、王位は中宗の3番目の妃である文定王后の息子・慶源大君(後の明宗)に引き継がれました。

仁宗の家系図

当サイト「雲の上はいつも晴れ」が独自に作成した家系図

<仁宗の家系図>

章敬王后と文定王后は同じ坡平尹氏の家系で遠い親戚にあたります。

章敬王后と文定王后の関係

当サイト「雲の上はいつも晴れ」が独自に作成した家系図

<章敬王后と文定王后の関係>

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仁宗はどんな王だったのか?

仁宗は真面目で親孝行であったことが、仁宗が逝去された日の実録の逸話として記録されています。

中宗不豫, 不脫冠帶, 晝夜侍側, (見)〔親〕 自湯藥, 藥必先嘗, 全廢御膳。<仁宗実録:1545年7月1日>

<訳>中宗が病に伏した際、仁宗は冠帯を解かず昼夜そばに付き添い、自ら湯薬を調え、必ず先に味見をしました。御膳もほとんど摂らず看病に専念した。

仁宗のプロフィール

子どもの頃から聡明で、わずか8歳にして成均館に入学、儒学を習得しています。もし、生きていたら名君になったとも評されています。

<プロフィール>
生年:1515年2月25日
没年:1545年7月1日(享年31歳)
在位:1544年11月28日-1545年8月8日
諱:峼(ホ)
廟号:仁宗
陸墓:孝陵
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仁宗の家族

仁宗の妃は潘南朴氏出身の仁聖王后でした。名門の家柄でしたが、仁宗との間に子をもうけることはできませんでした。一説には、義弟の慶源大君が即位できるように、生まなかったとも言われています。

正/側 称号 子供 生年-没年 備考
正室 仁聖王后 子女なし 1514-1578 朴墉の娘
側室 淑嬪尹氏 子女なし 不詳 文定王后の兄の尹元亮の娘
恵嬪鄭氏 子女なし 不詳 慶州鄭氏
貴人鄭氏 子女なし 1520-1566 延日鄭氏
良娣尹氏 子女なし 不詳

短命だった生母・ 章敬王后

仁宗の母・章敬王后は、出産後わずか6日後に25歳の若さで亡くなりました。彼女の曽祖父・尹士昀は世祖の王妃・貞熹王后の兄にあたり、代々王族と深い縁を持つ家柄でした。

また、中宗反正で活躍した朴元宗は叔父にあたります。こうした名門出身の章敬王后は、ドラマ「七日の王妃」でユン・ミョンヘのモデルとされた人物としても知られています。

詳しくは>>章敬王后の家系図で知る【多くの王妃を出した名門・尹氏一族】

仁宗の生涯

仁宗は1520年に生まれ、わずか6歳で世子に冊立されました。当初は文定王后に愛されましたが、彼女が慶源大君を産むと立場は急変。命を脅かされる日々を過ごします。

それでも生き延び、1544年に中宗の崩御により即位しました。しかし、病弱のため政務を十分に果たすことなく、翌年、在位わずか8か月で亡くなっています。

仁宗の死と毒殺説

仁宗は25歳で突然崩御しました。実録では病死とされていますが、野史では文定王后による毒殺説が語られています。

史実としての裏付けはありませんが、外戚間の権力闘争が激しかった当時の状況を象徴するエピソードといえます。

<豆知識>野史とは
朝鮮王朝実録のように正式な歴史書と認められた史料(正史)ではなく、民間で書かれた歴史書や民間に伝わる話などをまとめた史料。必ずしも虚偽とは言えず、歴史研究の参考にする価値もあると言われています。

仁宗の陵墓

仁宗と仁聖王后は西三陵の孝陵(ヒョルン)に埋葬されています。大変な孝行息子であったことから孝陵名付けられたとされます。

孝陵は双陵で、前方から見たとき、左が仁宗、右が仁聖王后の陵となっています。仁宗の陵のみ屛風石が配置され、両封墳が欄干石で連結された構造です。

<孝陵の外観>

仁宗が登場するドラマ

ドラマ「天命」では、文定王后に何度も命を狙われる世子時代の仁宗が登場、野史に残された文定王后の企てが脚色されて描かれています。

女人天下(2001年、オ・アラン)
天命(2013年、世子/イム・スロン)
七日の王妃(2017年、コ・ボギョル)

まとめ

仁宗の家系図をたどると、中宗の嫡子として王位を継いだ仁宗でしたが、子に恵まれず義弟に王位を譲ることになりました。

短命な治世でしたが、これが乙巳士禍(対立勢力の粛清)を引き起こし、朝鮮王朝の権力構造を大きく変える契機となりました。

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