史実のチャングムは医女でした。
医女チャングムが何故、宮廷の料理人になったのか。
その制作秘話をご紹介します。
ドラマでは何故、チャングムが料理人になったのか
チャングムが料理人になった理由は、先に放映された「ホジュン」が既に医女を扱っていたからです。
つまり、最初から医学を扱うと医学のドラマがダブってしまうからですね。
ドラマ「ホジュン」は低い身分に生まれながら壁を乗り越えて宮廷一の医者となり、最後には韓国一の医者になったホジュンの成功物語です。
このドラマは韓国で大ヒットとなり、主役のチョン・グァンリョルを本物のホジュンと思い込む人が出るほどでした。
そんな、有名になった医者の物語の後に、また医学を扱ったドラマが放送されれば、ホジュン2と思われる恐れがあったのです。
チャングムを医学のホジュンと違うと見せるために考え出されたアイデアが料理の話を最初に入れることでした。
当時は、まだ料理をテーマにした時代劇がなかったこと、料理の食材と薬は同じものであり、料理の経験や知識が医学に役立つと考えられました。
つまり、料理人から女医を目指すストーリーに無理なく移行できると思われたのです。
でも、実はそこにも反対がありました。
当時、宮廷料理は一般に馴染みがなく、味噌チゲやキムチチゲのような一般的な料理では面白くないという意見です。
しかし、イ・ビョンフン監督はこの考えを持つ上層部を粘り強く説得します。
実在にはないチャングムが料理人として登場する話の裏には、このようなドラマが会ったんですね。
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チャングムを料理人にした監督と脚本家
チャングムの監督は誰もが知っている韓国時代劇の巨匠であるイ・ビョンフン監督です。
脚本家は当時まだ、無名であった女性脚本家のキム・ヨンヒョンです。
イ・ビョンフン監督とチャングムの出会い
イ・ビョンフン監督がチャングムを知ったのは、「ホジュン」を準備しているときに読んだ医女に関する博士論文の中だといいます。
それは、博士論文のなかにあった「中宗実録」で中宗が言った言葉「医女チャングム一人おれば他の医者は要らぬ」です。
男女の区別が厳しい時代に、女性の医者を尊重する王様の言葉に驚きを持ったといいます。
これが、歴史のチャングムとイ・ビョンフン監督との出会いだったんです。
イ・ビョンフン監督は女性を主役としたドラマを多く撮影しています。
・チャングムの誓い
・トンイ
・オクニョ 運命の女
イ・ビョンフン監督は韓国時代劇ドラマの巨匠と呼ばれるほど、どのドラマも見応えがあり面白いですが、特におすすめはこちら>>イ・ビョンフン監督のおすすめのドラマ
料理人はキム・ヨンヒョンのアイデア
チャングムの制作を考えていたとき、イ・ビョンフン監督はホジュンの次作と言うことで医師のストーリーをためらっていました。
悩んでいたイ・ビョンフン監督にアドバイスしたのが、実は、まだ、無名の脚本家のキム・ヨンヒョンです。
話の導入部分を実話にはない料理の話にすることで、ホジュンと違うことを示すアイデアは彼女のアイデアでした。
特に、料理の部分は完全な創造であったことが、脚本家キム・ヨンヒョンの独創的な発想が遺憾なく発揮された部分だと思います。
元ネタのないところから、考え出された水剌間における物語には驚かされるばかりです。
また、料理人から医女に切り替わる話の展開も驚くほど緻密に計算されています。
イ・ビョンフン監督も脚本家のキム・ヨンヒョンを素晴らしいエピソード製造機と評価しています。
そして、女性を生き生きと描くことに定評があるキム・ヨンヒョンにとって、チャングムはその代表的な女性キャラクターになりました。
キム・ヨンヒョンが作り上げた女性が生き生きと活躍するドラマをご紹介します。
・チャングムの誓い
・善徳女王
・六龍が飛ぶ
・薯童謠(ソドンヨ)
いずれの作品も見応えのある面白いものですから、ぜひご覧下さい。
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料理人チャングムを生み出すまでの葛藤
イ・ビョンフン監督は脚本家のキム・ヨンヒョンを素晴らしいエピソード製造機と言っています。
しかし、料理人チャングムができるまでには大きな苦労がありました。
監督と脚本家の意見の食い違い
13,14話あたりから、監督と脚本家の意見は合わなくなっていたようです。
ハン尚宮はチャングムに料理を作らせ、一方、チェ尚宮はクミョンに秘伝の技を伝授する頃です。
また、チャングムが味覚を失ってしまうあたりですね。
また、イ・ビョンフン監督は23,24話を6回も書き直しをさせたそうです。
23話はハン尚宮とチェ尚宮の料理競争の最終決着の話。
勝負の決め方、決着後のことの収め方、勝者の言葉、どれをとっても重要な部分です。
でも、何回も書き直した結果、イ・ビョンフン監督はキム・ヨンヒョンの想像力のすべてを吐き出させることに成功したようです。
そして、24話はついに、チャングムの本当の正体が分かる話。
チャングムの正体をどのように明らかにするのか、本当に悩んだところだと思います。
23話、24話は前半の料理人の最大の山場です。
だからこそ、イ・ビョンフン監督はキム・ヨンヒョンに最高の脚本を望んだと思います。
その結果、間違いなく見ごたえのある話になっています。
ぜひ、もう一度見直してくださいね。
キム・ヨンヒョンが神経性の胃腸炎に
この苦しみは2ヶ月にもおよび、キム・ヨンヒョンは神経性の胃腸炎になってしまいます。
見かねたイ・ビョンフン監督の奥さんが、監督にあまりキム・ヨンヒョンさんをいじめないように進言したそうです。
既に、そのころには視聴率も50%を超える勢いでした。
イ・ビョンフン監督はそれ以降、キム・ヨンヒョンの意見を尊重するようになりました。
その結果、キム・ヨンヒョンの創造性が発揮され、実在はしなかった調理人チャングムの素晴らしく面白いドラマが出きたんですね。
ところで、前半の料理物語を牽引した人物といえばハン尚宮ですが、実は当初、ハン尚宮の役はヤン・ミギョンではありませんでした。
ハン尚宮を演じる予定っだった意外な女優とは?>>チャングムのヤン・ミギョンは当初、ハン尚宮役はではなかった
まとめ
史実では医女であったチャングムが料理人としてドラマに登場した理由は、先のドラマ「ホジュン」が原因でした。
結果、これが空前の大ヒットの要因になりました。
しかし、料理人チャングムを生み出すまでには製作者たちの大変な努力があったのです。