チャングムに登場する王様の中宗は、最後は腸閉塞で亡くなりました。
中宗の死因は本当に腸閉塞だったのか?
実は謎の中宗の死因
中宗は1544年11月29日に38歳の若さで亡くなっています。
ドラマでは腸閉塞を患ったことになっていますが、正確な病名は不明です。
実録では数日、便通が無かったことが記録されていますが、病名に関する記述はありません。
ただ、晩年は床に伏せていることが多かったようです。
第一夫人の子供である世子の第12代国王となる仁宗がそばでズーッと看病を続けたといいます。
ドラマでも中宗は病弱な王として描かれています。
病弱で優柔不断な性格は子供の仁宗にも受け継がれました。
なんと、仁宗は即位から8ヶ月後に亡くなります。
最も在位期間が短い君主です。
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チャングムに看取られた中宗の最後
史実では臨終を迎えた中宗はチャングムに看取られて最後を迎えます。
病状の中宗のそばにチャングムが最後まで寄り添っていたことは「中宗実録」から分かります。
チャングムが中宗の主治医であったことには異論があるようですが、中宗がチャングムに絶大な信頼を寄せていたことは間違い無いようです。
「中宗実録」に長今(チャングム)の名前が記載されている箇所は10箇所です。
その中にはチャングムを主治医と解釈させる有名な言葉
「予の証しは、女医之を知る(医女であるチャングムが一番、自分の病状を知っている)」
または、次々と功績を上げるチャングムについて、チャングム(長今)の名を「大長今」として記録されています。
「中宗実録」におけるチャングムの記載内容については>>チャングムは実在していた!でも、料理人は100%架空の物語 で詳しく紹介しています。
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史実の中宗はどんな王様
中宗は第11代国王で、第10代国王の燕山君とは異母弟にあたります。
中宗の母親は、燕山君の母親である尹氏が廃妃になったあとに、第9代国王・成宗の王妃となった貞顕王后 (チョンヒョンワンフ) です。
残虐な行いに怒りが頂点に達した臣下たちのクーデター(中宗反正:チュンジョンバンジョン)によって燕山君は廃位され、中宗が王になります。
中宗反正に関しては>>【図解】中宗の家系図【燕山君とは義兄弟だった中宗】で詳しくご紹介しています。
生年:1488年4月16日
没年:1544年11月29日
在位期間:1506年9月18日 – 1544年11月28日
父:成宗(次男)
母:貞顕王后
幼名:晋城大君(チンソンデグン)
王妃:端敬王后(タンギョンワンフ)
章敬王后(チャンギョンワンフ)・・第12代王・仁宗の母
文定王后(ムンジョンワンフ)・・第13代王・明宗の母
最初の王妃である端敬王后は、中宗が最も愛した王妃でしたが、燕山君の親類(叔母さんが燕山君の正室)であったことから、7日で王妃を剥奪されて宮廷から追い出されてしまします。
中宗は最愛の王妃の廃位を止めることができませんでした。
しかし、王妃を忘れられない中宗は端敬王后をしのんで彼女のいる仁王山の岸の方角をいつも眺めていました。
中宗のため、端敬王后がチマを仁王山の岩の上にかけて上げたチマ岩伝説は有名な話です。
また、中宗は燕山君が廃位になり、臣下により担ぎ上げられた王様なので、いつも臣下の顔色を伺う「最も優柔不断な王」と言われています。
王様としては特に目立った成果もありませんでした。
実際の中宗の姿は、ドラマでの中宗のイメージとは随分とかけ離れていたようです。
ドラマのチャングムと中宗の初めての出会いは、幼いチャングムが中宗(当時は晋城大君)にクーデターの意思を知らせる酒瓶を密かに届ける場面でした。(第3話)
この場面でチャングムは晋城大君に宮廷の女官にしてほしいとお願いしています。
王になった中宗は、このことを忘れていませんでした。
これにより、チャングムは運良く宮廷に入ることができます。
実際には、クーデターが終わってから中宗は知らされたので、ドラマのように事前にクーデターを知ることはありませんでした。
しかし、史実の歴史的な出来事を上手くドラマに組み込んだ抜群の構成でしたね。
まとめ
中宗は晩年は床に伏せていることが多かったようですが、病気や死因についての記録はありませんでした。
しかし、史実である朝鮮王朝実録を見ると、中宗がチャングムに対して絶対的な信頼をおいていたことは間違いありません。
それは、イ・ビョンフン監督が想像するように「医女と王」の関係以上のものだったのかもしれません。
しかし、これ以上のことは誰にも分かりませんね。
韓国時代劇ドラマは、少ない記録から創造を膨らませて作られたドラマが数多くあります。
史実とドラマの違いに興味を持つことも、韓国時代劇ドラマの楽しみ方の一つです。
興味のある方はこちらを御覧下さい>>韓国時代劇ドラマは嘘だらけ?史実とドラマの違いを徹底調査
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