トンイは最終回で既に亡くなっていました。
実在したモデル・淑嬪崔氏の死因とは何だったのか？
彼女の死因、晩年の様子、眠るお墓まで分かりやすく解説します。
トンイ（淑嬪崔氏）の死因は病死
淑嬪崔氏は1718年（粛宗44年）3月9日に48歳で病死しました。42人の歴代王妃の平均寿命が48.7歳から、ほぼ平均的な年齢といえます。
彼女は亡くなる2年ほど前から病気がちで、粛宗が薬を届けさせた記録もありますが、具体的な病名は記録されていません。
1718年3月9日の粛宗実録には、次のような一文が記録されています。
淑嬪 崔氏卒。 上命禮葬等事, 依例擧行。 輸送棺板, 又命優送祭需。
＜引用元：粛宗実録1718年3月9日＞
わずか一文の形式的な記述が、少し寂しさを感じさせますが、晩年は、延礽君（クム）と暮らしていたので、延礽君に看取られて亡くなったと思われます。
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ドラマでは最終回で粛宗の反対を押し切り、宮廷を出て梨峴宮（イヒョングン）で暮らし始めます。
梨峴宮に移った彼女は民を助け、民のための生涯をおくりますが、史実にはそのような記録はありません。
史実では、トンイ（淑嬪崔氏）は梨峴宮をもらいましたが、住んではいなかったようです。
彼女に与えられた梨峴宮は淑嬪房（スクビンバン）と呼ばれるようになります。後に、梨峴宮は延礽君の所有になりました。
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実際には、トンイ（淑嬪崔氏）は宮廷を離れて彰義宮（チャンウィグン）で延礽君と共に暮らしていたと記録されています。
宮廷を離れ息子と同居
英祖が建立した「淑嬪崔氏神道碑銘」に次のような記述があります。
戊戌三月九日戊午卒于彰義洞私第春秋四十九寔肅宗四十四年也
＜引用元：淑嬪崔氏神道碑銘＞
また、1711年には、粛宗が次のように命じています。
昔日梨峴宮, 卽今淑嬪房也。延礽君第宅已定、同居此第、未爲不可
＜引用元：粛宗実録1711年6月22日＞
以上から、トンイ（淑嬪崔氏）は1711年ごろから、宮廷外で延礽君と暮らし、そこで亡くなったことが分かります。
晩年の孤独｜粛宗の冷たい仕打ち
実は、粛宗は屋敷の近くを通っても立ち寄ることもなく、驚くことに屋敷の大きさを見て「心が痛む」とつぶやいた記録が残っています。
更に、淑嬪崔氏の大きな屋敷を朝廷が非難したとの記録もあります。このことからも、淑嬪崔氏の晩年はひどく寂しいものだったことが伺えます。
でも、なぜ淑嬪崔氏に対する粛宗の気持ちが、これほど変わってしまったのでしょう。
この点に関しては、トンイは実話か創作か？【驚き！史実はドラマより奇なり】に詳しく解説しています。
トンイが眠る昭寧園（ソリョンウォン）
ドラマ「トンイ」の最終回で登場したお墓は、実際に存在する昭寧園（ソリョンウォン）で、現在の京畿道 坡州市にあります。残念ながら、現在は一般公開されていません。
広大な敷地にトンイ（淑嬪崔氏）一人だけが埋葬されており、王妃ではなく側室としては異例の待遇といえます。
詳しくは＞＞トンイのお墓はどこにあるのか？【一人で眠る広大な昭寧園】 で解説しています。
粛宗の死因も病気だった
粛宗は淑嬪崔氏が亡くなってから2年後の1720年7月13日に亡くなっています。粛宗の死因も病気でした。
「粛宗実録」によれば、5月頃からお腹が膨らみ始めて体調が悪化、薬を処方しますが、原因が分からず、最後は薬も飲むことができなくなったといいます。
現代医学から見れば、腹水が貯まる病気として、心不全や腎不全、または、肝硬変などが考えられます。
多くの王様が短命で亡くなっていますが、その多くは暴飲暴食、運動不足、過度のストレスが原因だったと言われています。
まとめ
トンイ（淑嬪崔氏）の死因は病死で、1718年に48歳で亡くなりました。
晩年は延礽君と共に宮廷外の邸宅で静かに暮らしていましたが、亡くなる２年ほど前から、病気がちだったといいます。
宮廷を離れた理由は明らかではありませんが、「粛宗実録」に残された淑嬪崔氏の僅かな記録から、彼女の晩年は思っている以上に寂しいものだったかも知れません。