イソンゲ(李成桂)は、どのような家系に生まれ、どんな家族に支えられて王となったのか?
家系図をもとに分かりやすく解説します。
イソンゲ(李成桂)の家系図
イソンゲ(李成桂)の先祖は代々全州の豪族で、高麗朝廷に従事していました。
<イソンゲの家系図>
高麗初期に武臣であった李義方が暗殺され、弟の李璘が全州に逃れて一族を守ったことが全州李氏一族の始まりでした。
1254年、モンゴルが高麗に侵攻すると、高祖父の李安社はモンゴルに投降、それ以降、元の官職を得て一族は元の支配下に入りました。
しかし,父・李子春は高麗の反元政策に協力、高麗に内応して功績を上げ、一族は、再び高麗に復帰することになりました。
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イソンゲ(李成桂)は小さい頃から聡明で度胸があり、体格がよく武術に長けていたと言われています。
特に、弓の名人だったイソンゲは父・李子春の後を継ぎ、若くして頭角を現し、紅巾軍撃退や倭寇との戦いで名声を得ていきます。
祖先の足跡とイソンゲの建国前の功績については>>イソンゲの先祖とは?祖先の足跡と建国前の功績 をご覧ください。
イソンゲのプロフィール
没年:1408年5月24日
享年:74歳
在位:1392年8月5日-1398年10月14日
姓・諱:李旦(初名:成桂)
廟号:太祖
父:李子春
母:懿恵王后(永興崔氏)
陵墓:健元陵
人々の信望も厚く、朝鮮王朝の王として即位しますが、息子たちの政争を防げず、父としては苦悩しました。
【PR】スポンサーリンクイソンゲの妻と子供たち
イソンゲには二人の妻と多くの子供がいました。とくに息子たちは、後継者争いで闘争を繰り広げるなど、朝鮮建国時における歴史的な存在です。
イソンゲの妻
イソンゲの妻はドラマには、韓氏(ハンシ)、康氏(カンシ)の名で登場します。
順位 | 名前 | 住居 | |
韓氏 | 第一夫人 | 神懿王后(シヌィワンフ) | 故郷 |
康氏 | 第二夫人 | 神徳王后(シンドクワンフ) | 開京 |
最初の妻・神懿王后は、李成桂が朝鮮を建国する1年前に亡くなっています。
従って、朝鮮王朝の初代王妃は第二夫人の神徳王后でしたが、彼女の息子を優遇したことが、後に「王子の乱」へとつながります。
息子たち(王子)と王位継承
イソンゲ(李成桂)は生涯に8人の息子を得ましたが、次の息子は王位継承に関連する重要な人物です。
関係 | 名前 | 肩書 | 備考 |
次男 | 李芳雨 イ・バンウ |
第2代王・定宗 | 温厚な性格。短命の王 |
四男 | 李芳幹 イ・バンガン |
王子 | 反乱を起こすが失敗 |
五男 | 李芳遠 イ・バンウォン |
第3代王・太宗 | 王子の乱を制して即位 |
八男 | 李芳碩 イ・バンソク |
世子 | 李芳遠に殺害される |
イソンゲを継いで次男の李芳雨を王位に就きますが、実権を握ったのは五男の李芳遠でした。
彼は政敵や兄弟を排除し、後に第3代王・太宗(テジョン)として君臨します。
息子たちについて詳しくは>>李成桂(イソンゲ)の息子たち【失意のどん底に落とした兄弟の抗争】をご覧ください。
イソンゲの政略的な結婚
七男の李芳蕃は後に、李成桂に担がれて第34代王となる恭譲王の兄・定陽君/王瑀(ワンウ)の長女と結婚しています。
また、李成桂の四男・李芳幹の息子・李孟宗(イ・メンジョン)は恭譲王の妹と結婚しました。(後に死別、韓琦の娘と再婚)
<イソンゲと高麗王族の関係>
三女の慶順公主はイソンゲの政敵であった李仁任の甥(弟・李仁立の息子)の興安君/李済(イジュ)と結婚しました。
<イソンゲと権門勢家・李仁任との関係>
こうして、イソンゲは王族や朝廷の権力者と親戚の関係を結び、朝廷での足場を固めたのです。
イソンゲ(李成桂)の最後
イソンゲは譲位後、仏教に帰依した晩年を送ると、1408年5月に亡くなりました。
生前、イバンウォンは、最悪だった父子の関係を修復しようと努力を重ねたと記録されています。
イソンゲは現在、東九陵の奥にある健元陵(コンウォンルン)に静かに眠っています。
<ソウル郊外の九里市にある健元陵>
イソンゲの最後に関して詳しくは>>イソンゲの死因とは?【晩年の生活からお墓まで徹底解説】をご覧ください。
イソンゲの子孫
イソンゲ(李成桂)の子孫とは「イソンゲの血筋をひいて後に生まれる人々」のことを示しています。
イソンゲの第一夫人であった神懿王后の孫までの人数だけでも相当な数になります。
これに側室の子供や孫も加わると、現代において、イソンゲの血筋をひいた人々は多数存在すると推定されます。
<イソンゲの第一夫人の孫まで>
最近では、SEVENTEENのディノがイソンゲの子孫と話題になりました。真偽は定かではありませんが、子孫である可能性は高いと思います。
なお、李王家の嫡流の末裔については>>朝鮮王朝の王族の子孫の現在【李王家の嫡流の末裔は誰?】で詳しく解説しています。
イソンゲ将軍が登場するドラマ
イソンゲは朝鮮王朝を建国した人物として多くのドラマに取り上げられています。
ドラマとしての面白みがあり、建国時の歴史的なストーリーが堪能できる次のドラマがおすすめです。
特に、「鄭道伝」と「太宗イ・バンウォン」を続けて觀れば、建国前後の歴史的な出来事を知ることができます。
・鄭道伝(2014年、ユ・ドングン)
・六龍が飛ぶ
(2015年、チョン・ホジン)
・太宗イ・バンウォン
(2021年、キム・ヨンチョル)
( )内はイソンゲを演じた俳優です
まとめ
イソンゲの家系図をたどることで、朝鮮王朝の始まりと、その後の王位継承の混乱が見えてきます。
建国という一大事業を成し遂げながら、息子たちの権力闘争に苦悩する波乱万丈の生涯。
彼の人物像や家族関係を知ることは、韓国史をより深く理解する第一歩です。韓国時代劇を見る際にも、ぜひこの知識を活かしてみてください。