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イ・ビョンフン監督のおすすめ作品をランキングで紹介

イ・ビョンフン監督は、韓国時代劇を全世代に親しまれる娯楽作品へと押し上げた名匠です。

本記事では、数ある監督作品の中から、完成度・物語性・視聴しやすさの観点でおすすめ作品をランキング形式で紹介します。

これから初めて監督の作品を見る方はもちろん、すでに視聴済みの方が「次に見る一本」を選ぶ際の参考になる内容です。

イ・ビョンフン監督のおすすめ作品
1位:トンイ
2位:イ・サン
3位:宮廷女官チャングムの誓い
4位:馬医
5位:オクニョ
6位:ホジュン~宮廷医官への道~

1位から順に説明していきます。

  1. トンイ|イ・ビョンフン監督作品の完成形(1位)
    1. ハン・ヒョジュの出世作
    2. トンイの見どころ|監督と脚本家の衝突が生んだ名シーン
      1. トンイと粛宗が初めて出会うシーン
      2. イ・サンとトンイの接点となる指輪
      3. トンイ最大の見せ場は最後の大逆転劇
    3. イ・ビョンフン監督作品の入門編として最適
  2. イ・サン|監督が認める君主像を描いた正統派時代劇(2位)
    1. 監督が描きたかった理想の統治者像
    2. イ・サンの見どころ
      1. 3人の子供の成長
      2. 美しく泣ける女優ハン・ジミン
      3. イ・ソジンの遊び心
  3. 宮廷女官チャングムの誓い|韓国時代劇の金字塔(3位)
    1. 新しい時代劇の原点となる作品
    2. チャングムの見どころ|架空の料理対決
    3. 主演決定までの舞台裏|イ・ヨンエ起用の経緯
  4. 馬医|監督が太鼓判を押すチョ・スンウの演技(4位)
    1. 馬医の見どころ|チョ・スンウの見えない演技
    2. 監督が目指した新たな医師像
  5. オクニョ|監督が初めて挑んだ架空の人物の物語(5位)
    1. イ・ビョンフン監督の決断|架空の人物オクニョの誕生
    2. オクニョの見どころ|史実と創作のバランス
  6. ホジュン~宮廷医官への道|監督の初ヒット作品(6位)
    1. チョン・グァンリョンを国民的俳優にした代表作
    2. ホジュンの見どころ|既存の枠を壊した新しい時代劇スタイル
  7. イ・ビョンフン監督のおすすめできない作品
    1. 朝鮮王朝五百年シリーズ|旧来手法の失敗作
    2. 商道|冬のソナタの影に埋もれた作品
    3. 薯童謠|監督自身が失敗を認めた作品
  8. 監督が失敗から得た教訓
  9. イ・ビョンフン監督の作品一覧
  10. まとめ

トンイ|イ・ビョンフン監督作品の完成形(1位)

ドラマ「トンイ」の画像

製作年:2010年
話数:60話
平均視聴率:24.5%
最高視聴率:33.1%
監督:イ・ビョンフン
脚本:キム・イヨン
出演:ハン・ヒョジュ、チ・ジニ
概要:賤民の身分から側室のトップに上り詰めた実在人物・淑嬪崔氏の生涯を描いた時代劇。分かりやすい物語と高い完成度で、国内外から支持を集めた。

「トンイ」は、イ・ビョンフン監督が長年にわたって培ってきた時代劇演出の集大成とも言える作品です。完成度・視聴しやすさ・人気のバランスを考えて、総合評価1位としています。

史実をもとにしながらも、人間関係を中心に物語が展開されるため、時代劇に慣れていない視聴者でも無理なく最後まで楽しめます。日本でも一番人気の作品です。

ハン・ヒョジュの出世作

「トンイ」は、ハン・ヒョジュの出世作として知られる作品です。賤民から王の側室の頂点へと上り詰める難役を、序盤の初々しさから晩年の母としての貫禄まで丁寧に演じ切りました。

撮影前にはイ・ビョンフン監督による厳しい演技指導が行われ、過去作の台詞を繰り返し練習したといいます。その成果は作品の完成度に表れ、ドラマの大成功と数々の受賞につながりました。

トンイの見どころ|監督と脚本家の衝突が生んだ名シーン

「トンイ」はイ・ビョンフン監督と脚本家キム・イヨンの2作目のタッグ作品で、厳しい要求から何度も衝突を重ねました。そのたびに脚本は練り直され、結果として記憶に残る名シーンが数多く生まれています。

トンイと粛宗が初めて出会うシーン

第6話の初対面は、監督の要望で大胆にコミカルに変更され、王の背中に乗るという破天荒なトンイの姿が強烈な印象を残しました。

イ・サンとトンイの接点となる指輪

第31話の指輪は脚本家の遊び心が生かされた話でした。粛宗がトンイに送った指輪が「イ・サン」で息子の英祖に渡り、母子の絆を象徴する小道具として、効果的に物語をつなぎました。

粛宗がトンイに送った指輪の画像

トンイ最大の見せ場は最後の大逆転劇

最終盤では仁元王后の真意が明かされ、痛快な逆転劇が多くの視聴者に深い余韻を残しました。

仁元王后を演じたオ・ヨンソの画像

<仁元王后を演じたオ・ヨンソ>

イ・ビョンフン監督作品の入門編として最適

「チャングム」や「イ・サン」と比べると、「トンイ」は物語のテンポが良く、重苦しさが抑えられています。

・善悪が分かりやすい
・過度な専門知識が不要
・感情移入しやすい主人公設定

これらの点から、イ・ビョンフン監督作品を初めて見る人に最もおすすめできる作品です。

トンイについてもっと深く知りたい方はこちら>>イ・ビョンフン監督がドラマ「トンイ」に込めた思いとは?

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イ・サン|監督が認める君主像を描いた正統派時代劇(2位)

ドラマ「イ・サン」の画像

製作年:2007年
話数:全77話
平均視聴率:26.4%%
最高視聴率:38.9%
監督:イ・ビョンフン、キム・グノン
脚本:キム・イヨン
出演:イ・ソジン、ハン・ジミン
概要:英祖の後を継ぎ、国の改革に果敢に取り組む第22代王・正祖の波乱に満ちた生涯を描いた作品。ソンヨンとの切ないロマンスも見どころ

正祖は、朝鮮王朝500年の歴史の中で最も優れた指導者だと監督が認める王です。

「イ・サン」は、イ・ビョンフン監督が史実に基づき、政治と人間ドラマのバランスを最も重視して制作された作品と言えます。

監督が描きたかった理想の統治者像

イ・サン(正祖)は、改革君主として高く評価される人物です。

本作では、
・党派対立
・祖父・英祖との関係
・父・思悼世子の死
といった重いテーマを避けることなく描いています。

政治色は強めですが、その分、イ・ビョンフン監督が描きたかった「理想の統治者像」が明確に伝わります。

イ・サンの見どころ

物語の中心となる正祖の活躍以外に、注目したい「イ・サン」の見どころをご紹介します。

3人の子供の成長

イ・ビョンフン監督は、本作を王一人の物語ではなく、正祖、武士パク・テス、王が愛した女性の三人が成長していく物語として描きました。友情と成長を軸にすることで、若い世代にも響く時代劇となっています。

イ・サンに登場する3人の子役の画像

<イ・サンの3人の子役>

美しく泣ける女優ハン・ジミン

ソンヨン役のハン・ジミンは、監督から「美しく泣ける女優」と称賛された存在です。チャングム出演時から光る演技力で、主人公のイ・ヨンエに劣らない印象を残しました。

チャングムでシンビ役のハン・ジミンの画像

<チャングムでシンビ役のハン・ジミン>

イ・ソジンの遊び心

「イ・サン」で正祖を演じたイ・ソジンは、随所に遊び心あるアドリブを加えています。第62話では、王がウィンクするという異例の演出が話題になりました。実は同様のいたずらはテス相手にも一度ありました。ぜひ、その瞬間を見つけてください。

「イ・サン」は、史実に忠実な人物描写と正祖時代の政治や党争を丁寧に描いた正統派時代劇です。従って、史実上の事件を常に意識しながら視聴してしまう歴史通に最もおすすめできる作品です。

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宮廷女官チャングムの誓い|韓国時代劇の金字塔(3位)

ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」の画像

製作年:2003年
話数:全54話
平均視聴率:45.8%
最高視聴率:57.8%
監督:イ・ビョンフン
脚本:キム・ヨンヒョン
出演:イ・ヨンエ、チ・ジニ
概要:アジアで大ヒットした時代劇ドラマ。実像は謎に包まれているチャングムが前半は料理人として、後半は医女として活躍する韓国時代劇の金字塔的作品

ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」は、イ・ビョンフン監督作品の中で、最も知名度の高い作品です。

「チャングム」はアジアだけでなく、ヨーロッパ、アフリカ、イスラム圏など世界60カ国で放映されました。「チャングム」は世界で放映されて最初の韓国時代劇として、韓流ブームの象徴的存在です。

新しい時代劇の原点となる作品

それまでの時代劇は、男性中心・政治中心の物語が主流でした。

しかし、イ・ビョンフン監督は「チャングム」によって、女性が料理や医療といった分野で活躍する、それまでの時代劇には見られなかった物語を描きました。

また、「チャングム」は、従来の暗くテンポの遅い時代劇とは異なり、鮮やかな色彩とスピーディな物語展開で、若者から年配層まで幅広く支持を集めました。「チャングム」は新しい時代劇の原点と言っても過言ではありません。

チャングムの見どころ|架空の料理対決

「チャングム」は当初、医師の物語として構想されていましたが、先に医師のドラマ「ホジュン」が大ヒットしたため、序盤は料理の世界を描く構成へと変更されました。この前半の料理対決は史実ではなく架空の設定ですが、斬新な展開が話題を呼び、作品の大ヒットを支えた大きな見どころとなりました。

実は「中宗実録」におけるチャングムに関する記載はわずか数カ所見られるだけです。驚くことに、「チャングム」の多くが想像で作られた物語でした。

詳しくはこちら>>チャングムは実在していた!でも、料理人は100%架空の物語

主演決定までの舞台裏|イ・ヨンエ起用の経緯

チャングム役のキャスティングは難航し、イ・ヨンエに声がかかるまでに6人の女優が出演を辞退していました。彼女自身も当初は消極的でしたが、監督の熱心な説得を受けて出演を決断します。この決断が、作品の完成度と大ヒットに大きく寄与したことは間違いありません。

ドラマ「チャングム」は、現在放映されている韓国時代劇の原点と言える作品です。韓国時代劇ファンであれば、そのルーツとして一度は観ておきたい作品といえます。

馬医|監督が太鼓判を押すチョ・スンウの演技(4位)

ドラマ「馬医」の画像

製作年:2012年
話数:全50話
平均視聴率:17.3%
最高視聴率:24.2%%
監督:イ・ビョンフン、チェ・ジョンギュ
脚本:キム・イヨン
出演:チョ・スンウ、イ・ヨウォン
概要:馬医から名医となった実在した医官ペク・クァンヒョンの波乱に満ちた生涯を描いた作品。

イ・ビョンフン監督がこの作品で描きたかったのは、聖人君子ではなく、ユーモラスな人間味あふれる医師像だったといいます。

そこで、監督は主役の白光炫(ペク・クァンヒョン)役に以前から目をつけていたチョ・スンウを選びました。

馬医の見どころ|チョ・スンウの見えない演技

イ・ビョンフン監督はチョ・スンウに三度オファーを断られた末、四度目のオファーで「馬医」への出演を実現させました。その選択は大きな成果を生みます。監督の狙い通り、彼は感情を過度に強調しない自然な表現で人物像を深く表現しました。

第11~12話で、クァンヒョンが初めて人へ鍼を打ち投獄され、その後に同僚の回復を知る場面では、演技であることを忘れさせるほどの没入感が印象的です。

随所で見せるチョ・スンウの表現力は、「馬医」を代表する見どころの一つと言えます。

監督が目指した新たな医師像

イ・ビョンフン監督は、「ホジュン」や「チャングム」で、医師と医術を中心としたドラマを制作してきました。

それに対し「馬医」では、ユーモラスで人間味があり、どこか抜けたところもある庶民的な医師を主人公とした、従来とは異なる医師像を描こうとしました。チョ・スンウはこの監督の期待に十分に応え、字幕で視聴していても、表情や仕草だけで観る者を引き込む演技を見せています。

「馬医」は、医師のドラマと人々の生活や感情に焦点を当てたヒューマンドラマを同時に楽しみたい人におすすめの作品です。

オクニョ|監督が初めて挑んだ架空の人物の物語(5位)

ドラマ「オクニョ」の画像

製作年:2016年
話数:全51話
平均視聴率:17.3%
最高視聴率:22.6%
監督:イ・ビョンフン、チェ・ジョンギュ
脚本:チェ・ワンギュ
出演:チン・セヨン、コ・ス
概要:イ・ビョンフン監督が初めて架空の人物オクニョを主人公に描いた作品。明宗時代の実在した人物と場所で史実を踏まえた歴史が描かれている。

それまでは、チャングム、トンイ、イ・サンとイ・ビョンフン監督は歴史に実在する人物を描いてきました。

なぜ、イ・ビョンフン監督は架空の人物オクニョを描くことにしたのでしょうか。

イ・ビョンフン監督の決断|架空の人物オクニョの誕生

イ・ビョンフン監督は、半年以上にわたり物語の主人公を模索しましたが、描きたいと思える魅力的な歴史上の人物を見つけることはできませんでした。

監督は、時代劇は青少年にとって歴史理解と自国への誇りを育むものだという信念から、これまで常に実在する人物を描いてきました。

史料や文学作品を徹底的に調査し、すでに映像化された人物を除いた結果、適した人物は見当たらず、初めて架空の人物オクニョを創造する決断に至ったのです。

オクニョの見どころ|史実と創作のバランス

主人公オクニョは架空の人物ですが、登場人物(明宗、文定王后、尹元衡、鄭蘭貞など)や当時の社会制度・権力構造は史実に基づいて描かれています。

さらに、物語の舞台には実在した典獄署(チョノクソ)を採用し、朝鮮王朝の司法制度や庶民の暮らしをリアルに描写しました。

典獄署(チョノクソ)の画像

<典獄署(チョノクソ)>

史実に基づく時代背景の中で架空の主人公を活躍させることで、歴史物語としての説得力とドラマ性を両立させている点が、「オクニョ」の大きな見どころです。

ドラマ「オクニョ」は、架空の人物を主人公として描いているため、史実に縛られない自由な物語展開が魅力です。本格的な歴史ドラマは少し苦手という人でも親しみやすく、時代劇への入口としておすすめの作品と言えます。

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ホジュン~宮廷医官への道|監督の初ヒット作品(6位)

ドラマ「ホ・ジュン」の画像

話数:全64話
製作年:1999年
平均視聴率:48.9%
最高視聴率:63.7%
監督:イ・ビョンフン
脚本:チェ・ワンギュ
出演:チョン・グァンリョル、イ・スンジェ
概要:韓国ドラマ史上、63.7%と空前の視聴率を残した大ヒットドラマ。実在した名医ホ・ジュンの生涯を描いた感動の物語です。

既に管理職として現場を離れていたイ・ビョンフン監督が定年を数年後に控えた55歳の時に、再び現場に戻り作り上げた作品です。

この作品で韓国の若者に人気の無かった時代劇をヒットさせることに成功。その後の「チャングム」、「イ・サン」、「トンイ」とイ・ビョンフン監督の大ヒット作を生み出すきっかけになった作品です。

チョン・グァンリョンを国民的俳優にした代表作

チョン・グァンリョルは、本作で主人公ホジュンを演じるまでほぼ無名の俳優でしたが、その圧倒的な演技力によって一躍「国民的俳優」として知られる存在となりました。

撮影中には彼を本物のホジュンだと信じて治療を頼む高齢者が現れたり、劇中の死を本気で悲しむ視聴者もいたといいます。

イ・ビョンフン監督も「実在のホジュン以上にホジュンらしかった」と語るほどで、その強烈な印象は次回作での起用を避け、再共演は「オクニョ」まで待つことになりました。

ホジュンの見どころ|既存の枠を壊した新しい時代劇スタイル

「ホジュン」の大きな見どころは、当時の時代劇に根強くあった「古臭くて難しい」「暗くてテンポが遅い」といったイメージを打ち破った点にあります。

若者から敬遠され、身近な家族からも否定される状況の中、イ・ビョンフン監督は次のような新しい演出を取り入れました。

<監督が取り込んだ新スタイル>
・衣装は色鮮やかなパステルカラーに
・セリフは現代語を取り入れ
・音楽も若者がよく聞く最近の音楽を採用
・物語の展開もスピーディーに

こうした試みは時代劇の印象を大きく変え、社会現象と呼ばれるヒットを生み出します。今見ても古さを感じさせない点こそ、既存の枠を壊した監督の挑戦が結実した「ホジュン」最大の見どころです。

イ・ビョンフン監督のおすすめできない作品

以下の作品は、評価が伸び悩んだり、または監督自身も反省点を語っている作品です。

・朝鮮王朝五百年シリーズ(1983年)
・商道(2001年)
・薯童謠(ソドンヨ)(2005年)

朝鮮王朝五百年シリーズ|旧来手法の失敗作

朝鮮王朝五百年シリーズはイ・ビョンフンがプロデュース(一部監督)した時代劇作品です。イ・ビョンフン監督が時代劇に興味を持つキッカケとなった作品ですが、時代劇に対する新たな試みを行う以前の作品です。

そのため、

・テンポの良さ
・現代的な演出
・華やかな衣装

といった要素はまだ確立されておらず、一般視聴者にはやや難解な印象を与えました。

商道|冬のソナタの影に埋もれた作品

「商道」は、実在の商人・林尚沃を描いた作品で、原作小説はベストセラーとなっています。しかし、放送時期が「女人天下」「冬のソナタ」と重なったこともあり、視聴率は伸び悩みました。

史実に基づいた堅実な内容である反面、ドラマとしての起伏が少なく、50話という長さを感じさせる構成になってしまいました。

薯童謠|監督自身が失敗を認めた作品

経験の少ない若手俳優の採用や難しい科学を取り入れたことは、全て成功体験からきたおごりであったと、イ・ビョンフン監督自信が率直に薯童謠の失敗を認めています。

監督が失敗から得た教訓

その後、イ・ビョンフン監督が次々とヒット作を生み出せた背景には、初期の失敗経験が確実に生かされています。数多くの試行錯誤を経て、監督は作品づくりにおいて次の三点を重視するようになりました。

1.若い人の教育的な要素をもつこと
2.とにかく見ていて面白いこと
3.一つでも心に残る価値を届けること

これらは失敗の積み重ねから導き出された、制作姿勢の核心と言えます。

イ・ビョンフン監督の作品一覧

イ・ビョンフン監督が実際に演出した全作品をご紹介します。

朝鮮王朝五百年はシリーズ作品で全11作品ありますが、「暴君 光海君」「南漢山城」以外の作品をイ・ビョンフン監督が担当しています。(一部共同監督)

製作年 タイトル 話数 脚本家 平均視聴率 最高視聴率
1981 暗行御史
1983 朝鮮王朝五百年 シン・ボンスン
1999 ホジュン 宮廷医官への道 64 チェ・ワンギュ 47.1% 63.7%
2001 商道 50 チェ・ワンギュ 23.8% 33.1%
2003 宮廷女官チャングムの誓い 54 キム・ヨンヒョン 41.6% 57.8%
2005 薯童謠 55 キム・ヨンヒョン 19.9% 25.0%
2007 イ・サン 77 キム・イヨン 26.4% 38.9%
2010 トンイ 60 キム・イヨン 24.5% 33.1%
2012 馬医 50 キム・イヨン 17.3% 19.1%
2016 オクニョ 運命の女 50 チェ・ワンギュ 17.3% 22.6%

注意)視聴率は提供資料により差異があるため参考値です。

イ・ビョンフン監督は、1980年代に「暗行御史」で初めて本格的な時代劇制作に取り組み、この経験を通じて時代劇への強い思いを抱くようになりました。

1998年の「大王の道」では企画・制作指揮を担当し、現場演出は別の監督に任せています。その後、管理職として現場を離れた時期もありましたが、時代劇不振を前に再び演出の第一線へ復帰し、55歳で手がけた「ホジュン」が大成功を収めました。

この決断が「チャングム」、「トンイ」、「イ・サン」へと続く名作誕生の出発点となったのです。

まとめ

イ・ビョンフン監督は、不振が続いていた韓国時代劇を国民的な人気ジャンルへと押し上げた立役者です。

既存のイメージにとらわれない新しい時代劇の表現は、その後の作品にも大きな影響を与えました。その作品群は、史実と実在の人物をもとにしながらも、視聴者を惹きつける分かりやすい物語構成という一貫した特徴があります。

本記事で紹介した作品を入り口として、韓国時代劇が持つ奥行きと魅力をあらためて味わってみてください。

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