韓国時代劇の巨匠イ・ビョンフン監督が大ヒット作「トンイ」に込めた思いをご紹介します。
イ・ビョンフン監督の思いが詰まった創作部分
トンイを制作するにあたり、イ・ビョンフン監督がトンイに込めた思いは次の2点です。
・朝鮮最高の聖君・英祖を育てた淑嬪崔氏を教育者として描くこと
・朝鮮伝統の音楽を現代に伝えること
詳しく説明していきますね。
淑嬪崔氏(トンイ)を教育者として描く
賤民出身の女性が朝鮮で最長の在任期間を誇る聖君の母となるには、自分自身が相当の努力をしたはずです。
また、英祖が子供の頃には、母親が賤民出身ということもあり、世子として教育もろくに受けられず冷遇されたといいます。
だからこそ、淑嬪崔氏は延礽君を命がけで教育したと考えられます。
実際、その事実は資料にも頻繁に登場しています。
ドラマにおいてもトンイがクムを命がけで守り、教育する母としての姿が描かれています。
例えば、クムが初めて登場する場面での国母なる母としての凛とした態度です。
また、クムに本当の教育を受けさせるための先生探しに懸命になる姿を通して「教育に命をかける母」を感じることができます。
ドラマでの教育のストーリーは、フィクションでもその思いは事実であると想像できます。
朝鮮の伝統音楽を現代に伝える
イ・ビョンフン監督は作品を通して、朝鮮の伝統や文化を伝えることを使命と考えています。
チャングムでは「宮廷料理」、イ・サンでは「美術」、ホジュンでは「漢医学」を取り上げたように、トンイでは「朝鮮音楽」を取り上げています。
トンイは水汲みのムスリ(雑事を担当する下女)とされる説と針房(チムバン)に所属していた宮女であるという説があります。
いずれにしても、宮廷音楽を担当する掌楽院(チャンアグォン)の奴婢であったことは事実ではありません。
しかし、イ・ビョンフン監督の思いとは裏腹に、視聴者の反応は思わしくなく、音楽部分を大きくカットしたようです。
現代の若者にとって、クラッシク音楽はやはり退屈な音楽なのでしょうね。
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イ・ビョンフン監督はどんな人
イ・ビョンフン監督のプロフィール
生年:1944年10月14日
学歴:ソウル大学農学部林学科
漢陽大学院マスコミ情報学部
ホジュン 宮廷医官への道では、最高の視聴率63.7%を記録して時代劇ブームを作りました。
従来の時代劇は地味でテンポのない物語でした。
そこで、イ・ビョンフン監督は作品をカラフルに、テンポよく、若者にも受け入れられるような数々の工夫を盛り込みました。
宮廷女官チャングムの誓いは、韓国だけでなく日本を始めとしたアジア各国で大ヒット。
主演のイ・ヨンエとともにアジア各国で一躍有名になりました。
イ・ビョンフン監督は韓国時代劇の新時代を切り開いたとして、時代劇の巨匠と呼ばれています。
イ・ビョンフン監督の経歴
1970年:MBC入社(ドラマ監督)
1999年:ホジュン 宮廷医官への道を制作
2001年:商道を制作
2003年:宮廷女官チャングムの誓いを制作
2005年:薯童謠を制作
2007年:イ・サンを制作
2010年:トンイを制作
2012年:馬医を制作
2016年:オクニョ 運命の女を制作
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まとめ
イ・ビョンフン監督は作品を作るにあたって、史実に忠実であること。
そして、古い文化や芸能を若い世代に伝えることを心がけているそうです。
そんな思いから、イ・ビョンフン監督の作品には古き文化や芸能が物語に溶け込んで登場しています。
イ・ビョンフン監督作品が若者からお年寄りまで広く愛されている理由かもしれません。