孝明世子の家系図【王の器と期待されながらも薄命だった世子】

孝明世子はドラマ「雲が描いた月明かり」の世子のモデルと言われています。

9歳で最高学府の成均館に入学

19歳で代理聴政として政治の表舞台に

まさに、王道を進んでいた孝明世子でした。

孝明世子の家系図

純祖は純元王后との間に2男3女、側室との間に1女もうけていますが、男の子として成長したのは孝明世子だけでした。

しかし、孝明世子はわずか22歳で一人息子・憲宗を残して亡くなってしまいます。

憲宗は息子には恵まれず、正祖の男系子孫は憲宗で途絶えることになりました。

＜孝明世子の家系図＞

孝明世子の兄弟姉妹

孝明世子は2男2女の兄弟姉妹に生まれ、母親違いの妹が一人いました。

哲宗は孝明世子の死後に純元王后の養子となっています。

孝明世子はどんな世子だったのか？

孝明世子は大変聡明で、芸術や文学への造詣も深く、特に宮中舞踊を愛した世子でした。

孝明世子のプロフィール

孝明世子の家族

孝明世子の一人息子は後の第24代王・憲宗として即位しています。

神貞王后は興宣大院君と結託して、興宣大院君の息子を養子とし、第26代国王・高宗として即位させています。

孝明世子の生涯

小さい頃から聡明であった孝明世子は、将来の国王として期待され、19歳で代理聴政を務めるほどでした。

利発な少年時代

1809年8月9日、孝明世子は純祖と純元王后の間に長男として生まれました。

純元王后の実家は、当時、実権を握っていた安東金氏であったことから、1812年には僅か4歳で王世子に冊封されています。

幼少の頃から聡明であった孝明世子は、1817年に9歳で最高学府の成均館（ソンギュングァン）に入学しています。

安東金氏に対抗するための政略結婚

1819年10月、孝明世子は11歳で趙萬永の娘で後の神貞王后と結婚しました。

安東金氏の勢力が拡大するのを心良く思わなかった純祖が、豊壌趙氏の主導者であった趙萬永の娘を世子嬪に選んだ政略結婚でした。

神貞王后について詳しくは＞＞神貞王后の家系図【安東金氏対抗で選ばれた世子嬪の生涯】

政治の舞台で実力を発揮

1827年、孝明世子は19歳のときに父である純祖の命により代理聴政を始めます。

純祖は、安東金氏の勢道政治を牽制するために、孝明世子の外戚である豊壌趙氏の力を利用しようと考えたのです。

豊壌趙氏の人材を官職に採用

孝明世子は期待に応えて、豊壌趙氏の人材を重用していきます。

ここで、孝明世子は政治手腕に長けた実力をみせました。

豊壌趙氏の力が強くなりすぎないように、安東金氏とのバランスを考えた採用をしたのです。

宮中行事改革による王権強化

また、孝明世子は王室の威厳と尊王意識を取り戻すために宮中行事改革に取り組んでいます。

中止されていた宮中行事の再開したり、宮中行事を王権強化策として利用しました。

孝明世子の突然の死

1830年3月、孝明世子は突然、喀血しました。

そして、看病の甲斐なく、5月に22歳で病死してしまいました。

孝明世子の死により、孝明世子の政治改革は頓挫、再び、安東金氏の勢力が盛り返すことになります。

雲が描いた月明かりのモデルは孝明世子

ドラマ「雲が描いた月明かり」に登場する世子イ・ヨンは孝明世子がモデルです。

実在した登場人物

「雲が描いた月明かり」には何人か実在の人物が登場しています。

ドラマでは、イ・ヨンの母親は亡くなり、新しい王妃・中殿・キム氏を迎えています。

しかし、史実では母親（純元王后）が亡くなるのは、孝明世子の死後です。

金祖淳は孝明世子の母親である純元王后の父親ですが、キム・ホンのモデルと言われています。

約60年間に渡る安東金氏による勢道政治の基礎を築いた人物です。

まとめ

幼少のころから聡明であった孝明世子は、安東金氏に対抗できる王として期待されていました。

期待通りに代理聴政をこなし、次々と政治改革に取り組んでいましたが、22歳の若さで病死してしまいます。

もし、孝明世子が王を継いでいたら。。。

誰もがそう考える本当に惜しい世子であることは間違いありません。