韓国時代劇を観るのに役立つ用語をまとめています。
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内命婦(ネミョンブ)
宮廷で官職に就いて働く女性を女官(にょかん)または宮女(きゅうじょ)と呼びますが、女官が所属する組織を内命婦(ネミョンブ)と呼びます。
内命婦は、大王妃(王の母)、次に王妃(王の妻)をトップとする女官全体を取り締まる組織です。
実務的には、王妃が内命婦を取り締まりました。
側室も全てこの組織に所属します。
王様も内命婦には口を出すことはできませんでした。
ドラマでもよく、王妃が王様に「これは内命婦の問題です!」と王様に釘を刺す場面が出てくると思います。
また、官職とは「公の職業」、この場合は宮廷での職務になります。
内命婦の女官が所属する部署
内命婦の女官は次の部署に所属して各職務を果たします。
至密(チミル)
王と王妃が住む寝殿に待機して、日常の世話をする部署
針房(チンバン)
王や王妃などの衣装を縫製する部署
繍房(スバン)
宮中で使われる装飾物に使う刺繍を管理する部署
洗踏房(セダッパン)
洗濯と衣服の手入れを担当する部署
生果房(セングァバン)
飲料水やお菓子を作る部署
焼酎房(ソジュバン)
焼酎を作る部署
洗水間(セスガン)
王や王妃の洗面水や浴槽の水を管理する部署
水刺間(スラッカン)
王や王妃の料理を担当する部署
監察府(カムチャルプ)は架空の部署
トンイが活躍した監察府(カムチャルプ)という部署は存在しません。
実際には、女官を取り締まる特別な尚宮として監察尚宮(カムチャルサングン)という役職の人がいました。
ここから、物語では女官を取り締まる部署として監察府という部署を創作したようです。
内命婦(ネミョンブ)の品階
内命婦に所属する女官は品階と呼ばれる階級で区別されていました。
品階は内命婦だけでなく、宮廷で官職について働く男性にも適用されており、一目で偉さのレベルが分かるようになっています。
なお、大妃、王妃、世子嬪に品階はありません。
ものすごく偉い人達ですから、区別してはいけませんね。
品階 | 総称 | 称号 |
正一品 | 側室 | 嬪(ピン) |
従一品 | 貴人(クィイン) | |
正二品 | 昭儀(ソイ) | |
従二品 | 淑儀(スギ) | |
正三品 | 昭容(ソヨン) | |
従三品 | 淑容(スギョン) | |
正四品 | 昭媛(ソウォン) | |
従四品 | 淑媛(スグォン) | |
正五品 | 女官(内人) | 尚宮(サングン) 尚儀(サンウィ) |
従五品 | 尚服(サンボク) 尚食(サンシク) |
|
正六品 | 尚寝(サンチム) 尚功(サンゴン) |
|
従六品 | 尚正(サンジョン) 尚記(サンギ) |
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正七品 | 典賓(チョンビン) 典依(チョニ) 典膳(チョンソル) |
|
従七品 | 典設(チョンソル) 典製(チョンジェ) 典言(チョノン) |
側室を除く、女官の最高位は尚宮です。
尚宮になるには至密の女官で25年、それ以外の職務を担当する女官で35年もかかったそうです。
正五品以下の尚宮を除く女官を内人(ナイン)と呼ぶこともあります。
王様に寵愛を受けてもすぐには側室にはなりません。
承恩(スンウン)尚宮または、特別尚宮と呼ばれ、居室が用意されます。
尚宮なので品階は女官としては最高位の正五品です。
承恩尚宮は王が側室として認めた場合、または子供を生んだときに初めて側室となります。
世子の側室の品階
世子の側室には別の称号と品階が与えられます。
品階 | 総称 | 称号 |
従二品 | 世子の側室 | 良娣(ヤンジェ) |
従三品 | 良媛(ヤンウォン) | |
従四品 | 承徽(スンフィ) | |
従五品 | 昭訓(ソフン) |
内命婦に所属さない女性、ムスリと医女
宮廷で働く女性ですが、品階をもたない女性もいます。
力仕事や雑用を行うムスリ(奴婢)や医女などの女性の身分は低く、品階も与えられませんでした。
トンイも当初は掌楽院で働く奴婢でしたが、張禧嬪の計らいで女官になります。
これは、考えられない出世だったんですね。
また、医女もムスリと同じく品階がつかない低い身分でした。
チャングムは女官より低い身分で宮中に戻ったのです。
現代では、女性の医者は頭がよく高給取りでエリートですが、当時の医女は成りてがなく、身分の低い奴婢から選ばれていました。
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外命婦(ウェミョウブ)
外命婦は、王族の女性や、高官の妻で品階を持った女性たち、または彼女らが所属する組織の総称です。
夫が王朝の中で出世していくと、それに従って妻は高い品階を受けられました。
実際、夫の身分や官職に相応した封爵が受けられたようです。
<外命婦の品階>
宗親とは王の親族のことです。
品階 | 宗親の女性 | 宗親の妻 | 文武官の妻 | 備考 |
なし | 公主 | 正室の子 | ||
翁主 | 側室の子 | |||
正一品 | 府夫人 | 王妃の母 | ||
府夫人 | 大君の妻 | |||
貞敬夫人 | 領議政・左右議政の妻 | |||
従一品 | 奉保夫人 | 王の乳母 | ||
郡夫人 | 王子の妻 | |||
貞敬夫人 | 提調の妻 | |||
正二品 | 郡主 | 世子の嫡女 | ||
県夫人 | ||||
貞夫人 | ||||
従二品 | 県主 | 世子の庶女 | ||
県夫人 | ||||
県夫人 | ||||
正三品堂上 | 慎夫人 | |||
淑夫人 | 参議の妻 | |||
正三品堂下 | 慎人 | |||
淑人 | ||||
従三品 | 慎人 | |||
淑人 | ||||
正四品 | 恵人 | |||
令人 | ||||
従四品 | 恵人 | |||
令人 | ||||
正五品 | 温人 | |||
恭人 | ||||
従五品 | 温人 | |||
恭人 | ||||
正六品 | 順人 | |||
宜人 | ||||
従六品 | 宜人 | |||
正七品 | 安人 | |||
従七品 | 安人 | |||
正八品 | 端人 | |||
従八品 | 端人 | |||
正九品 | 孺人 | |||
従九品 | 孺人 |