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奇皇后の相関図【史実から見たマハ、タルタルなどの人物関係】

奇皇后の登場人物の史実での相関関係を分かりやすく図でご紹介します。

気になるマハやタルタルは実在したのか?

ワン・ユはヨンチョルの姪と本当に結婚したのか?

史実から見た奇皇后の相関図がその疑問をスッキリ解消します。

 

史実から見た奇皇后の相関図

史実に当てはめた相関図を見るとドラマ「奇皇后」の創作された部分がより明確になります。

<奇皇后の相関図>

ブルーの枠がドラマに登場した人物です。枠の外に、モデルとなった人物の名前を記載しています。

スマホで見ている方は以下の抜粋した画像で確認してください。

 

実在しなかったマハ

奇皇后とワン・ユの間に生まれた子供マハは架空の人物です。

ドラマ「奇皇后」には多くの実在する人物が登場しますが、重要な人物で実在していないのはマハのみです。

<実在しなかったマハ>

奇皇后は高麗の貢女として元に送られたのは事実です。

しかし、貢女を脱走してワン・ゴの子分になり、ワン・ユと出会う話は完全なフィクションです。

史実の奇皇后とワン・ユ(忠恵王)との間に私的な関係はありませんでした。

 

余談ですが、当初、ワン・ユは第28代王の忠恵王をモデルにしていたようです。

しかし、余りにも史実とドラマの人物が違うので、放送直前に「ワン・ユは架空の人物」と変更されました。

詳しくは>>奇皇后のワンユは実在した忠恵王【でも、評判の悪さで架空の人物に】

 

ワン・ユの王妃はクビライの子孫

ワン・ユ(忠恵王)は、ヨンチョル(エム・テルム)の姪を王妃に迎えます。

しかし、史実では忠恵王は元の初代皇帝フビライの子孫であるイリンチンバル(徳寧公主)と結婚しています。

<ワン・ユ(忠恵王)の王妃>

当時の慣習では、高麗の王の息子は元に人質として暮らし、皇帝の娘を王妃に迎えました。

そして、王が亡くなると高麗に帰って、新たな王として即位しました。

 

その結果、高麗の王は「駙馬高麗国王」と呼ばれ、元の宮廷内での高麗王家の地位は向上しました。

駙馬(ふば)とは娘婿の意味です。

但し、高麗は独立国ではなく、あくまで元の従属国の扱いでした。

 

バヤンフトはボロト・テムルの娘

タファンは皇后のタナシルリが死罪になると、バヤンフトを皇后に迎えました。

バヤンフト(バヤンクトゥクがモデル)はペガンの姪の設定ですが、史実ではバヤンクトゥクはボロト・テムルの娘です。

<バヤンフトはボロト・テムルの娘>

ボロト・テムルはコンギラト部族の出身で武将です。

従って、メルキト部族出身のペガン(バヤン)とは血の繋がりはありません。

 

ドラマの流れから、脚本家はペガンの姪にした方がドラマチックだと考えたのでしょう。

ちなみに、実在したバヤンクトゥクは男の子(チンキム)を生みますが、2歳で亡くなっています。

ドラマとは違い、とても質素で慎ましかったと伝えられています。

 

皇太后には実の息子がいた

タナシルリが亡くなった後、奇皇后に危機を感じた皇太后はマハを皇太子にしようと考えます。

しかし、史実では皇太后には夫の第8代元皇帝トク・テムルとの間に3人の息子がいました。

<皇太后の3人の息子>
長男:アラトナダラ(早世)
次男:エル・テグス
三男:タイピンヌ

長男のアラトナダラは若くして亡くなったため、エム・テルムに育てられ次男のエル・テグスが皇太子になりました。

<皇太后の3人の息子>

第8代元皇帝トク・テムルが亡くなると、エム・テルムは皇太后の息子エル・テグスを皇帝に推薦します。

自分が育てたエル・テグスを皇帝にして、実権を握ろうとしたのです。

しかし、皇太后は夫の遺言を優先してコシラの息子を皇帝に推薦しました。

 

また、第10代元皇帝リンチンバルが亡くなったときも、エム・テルムはエル・テグスを皇帝に推薦しまが、皇太后はまたもや反対しました。

こうして、皇太后がエム・テルムに主導権を握られないよう対抗した結果、息子エル・テグスは皇帝になることができませんでした。

そして最後には、エル・テグスはコシラを暗殺した罪でトゴン・テムルにより殺害されてしまいます。

 

代々皇帝に仕えるエル・テムルの一族

エル・テムルの部族キプチャクと皇帝の関係は先祖クルスマンがモンゴルの皇帝モンケに降伏したことにより始まります。

特に、皇族との関係が深くなったのはエル・テムルの祖父のトトガクが元の初代皇帝クビライに仕えてからです。

<皇帝に仕えるエル・テムルの一族>

代々歴代皇帝に仕えてきた新進のキプチャク部族はエル・テムルのときに最大の軍閥となります。

エル・テムルは気に入らない皇帝を次々に代えて、皇帝をも凌ぐ独裁権を得ていました。

 

ドラマでは、エル・テムル(ヨンチョル)が皇帝トゴン・テムル(タファン)をいじめ抜きますが、史実ではありません。

史実では、エル・テムルが亡くなってトゴン・テムルが皇帝に即位しているからです。

 

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奇皇后を裏切った江陸大君

ドラマ「奇皇后」の最終回に江陸大君(カンヌンテグン)が登場します。

奇皇后は江陸大君に「一つの約束を守れば高麗王にしてやる」と言います。

一つの約束とは「私(奇皇后)を困らせないこと」

 

実は、江陸大君はワン・ユのモデルと言われた忠恵王の実の弟なんです。

<江陸大君と忠恵王の関係>

江陸大君は幼少の頃から、元に人質として暮らしていました。

第30代国王・忠定王が亡くなったため、次期高麗王に選ばれたのです。

 

しかし、江陸大君が高麗に帰って、第31代国王・恭愍王として即位すると、徹底的な反元政策をとります。

そして、奇皇后の実家である奇氏一族を皆殺しにしてしまいました。

 

これに激怒した奇皇后は皇帝に頼み、兵を高麗に送りますが、大敗してしまいます。

奇皇后は江陸大君を高麗王にした恩を仇で返されたのです。

 

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タルタルはペガンの甥

タルタル(トクトがモデル)がペガン(バヤンがモデル)の甥であることは間違いありません。

タルタル(トクト)の父親マジャルタイはペガン(バヤン)の弟にあたります。

<タルタルとペガンの関係>

メルキト部族の出身で代々、皇帝に仕える軍隊を担当する部族でした。

特に、タルタル(トクト)の祖父がクビライの皇太子チンキムに仕えてからメキメキと力をつけてきた部族でした。

 

そして、ヨンチョル(エル・テムル)が亡くなると、ペガン(バヤン)が代わって朝廷を掌握しました。

朝廷からキプチャク族が一掃されて、タルタル(トクト)のメルキト族が勢力を拡大していきました。

 

途中で消えたワン・ゴが王位を狙う理由

王位継承から見ると、実はワン・ゴ(王暠)が王位に近かったのです。

そのため、ドラマの前半でワン・ゴは自分が高麗の王位に就くために策略を凝らします。

 

ワン・ゴは第25代忠烈王の孫にあたります。

ワン・ゴの父親の江陽公王滋は次男でしたが、長男が出家しているため、本来であれば王位を継ぐ人材でした。

<ワン・ゴとワン・ユ(忠恵王)の関係>

ところが、忠烈王は元の皇帝フビライの娘クトゥルク・ケルミシュを王妃に迎えます。

忠烈王には既に王妃(貞信府主王氏)がいましたが、元から王妃をもらったことで第2王妃に降格してしまいました。

 

しかも、クトゥルク・ケルミシュ(荘穆王后)が王子を生んだため、江陽公王滋の王位継承は無くなりました。

このため、ワン・ゴも王位に就くことはできませんでした。

ワン・ゴ(王暠)が王位に執着するのは、こうした事情が背景にあるのです。

 

まとめ

ドラマに登場する人物の関係を知ると、ドラマをより深く理解でき、楽しむことができます。

歴史歪曲として話題になった奇皇后ですが、歪曲部分を知った上で見ても極上のドラマであることは間違いありません。

現在もドラマ自体や演じた女優のハ・ジウォンさんの人気が高いことがこのことを証明しています。

 

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