青春ウォルダムの犯人は中殿です。
でも、中殿だけの犯罪とは思えませんよね。
実は、そこには多くの人が関わった複雑な復讐劇があったのです。
この記事では複雑な復讐劇の全貌を分かりやすく徹底解明しています。
青春ウォルダムの犯人
青春ウォルダムはミステリー時代劇の部類に入る推理物語です。
犯罪の関係者も多く、復讐計画も複雑であり、注意して観ないと所々に貼られた伏線も見失いがちです。
主犯格の黒幕とは
事件の黒幕は王妃のチョ・スヨンです。
王妃は逆賊の首領に祭り上げられて殺された鍛冶屋ソン・スチョンの妻ヨニです。
ヨニは殺害された夫ソン・スチョンの復讐をするために、右議政のチョ・ウォンボを利用して王の継妃となりました。
継妃となったヨニは王家を滅ぼすために、同じ恨みを持つ村人と協力して数々の犯罪を犯したていたのです。
主犯格を補佐した人物
「息子を王にして李氏を滅ぼし宗氏の王朝を築く」
この壮大な復讐計画を考え、そのための実行案を王妃だけで考えたとは思えません。
おそらく、復讐計画の大きな筋書きは老僧のムジン法師が考えたものと思われます。
老僧は身毒国でアヘン入りの花の香で人の記憶を混乱させ、洗脳して操る術を学んでいたと考えられます。
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共犯者とその役割
王妃と老僧の復讐計画には多くの共犯者がいました。
王に村を滅ぼされたと考えているヨニと同じ碧川の村で暮らしていた村民たちです。
<王妃(ヨニ)の共犯者>
名前 | 職 | 備考 |
ムジン法師 | 僧侶 | アヘン入りの花の香で洗脳する |
テサン | ー | テガンの双子の兄 |
マンドク | 食堂の主人 | 娘を殺された |
クォン・ドクシム | 尚宮 | 王妃付きの尚宮、連絡係 |
国巫 | 巫女 | 洗脳されて殺人を犯す |
シム・ヨン | ー | 洗脳されて殺人を犯す |
チェ尚宮 | 尚宮 | 世子付きの尚宮 |
ムジン法師
ムジン法師は復讐計画を立案しただけでなく、実行に於いても大きな役割を演じました。
乾燥させたぼたんの花にアヘンを入れて焚いた煙を嗅がせて人を洗脳したのです。
国巫、シム・ヨン、ミョンアン大君などがこの方法で洗脳されました。
洗脳された人は白髪になる特徴があります。
ムジン法師は身毒国でこの洗脳方法を学んだと考えられ、自身の記憶が消えないように、おそらく解毒剤を飲んでいたと思われます。
テサン
テサンはテガンの双子の兄であり、容姿が似ていることを利用して宮殿に出入りしていました。
そして、宮殿内の王妃と外部の共犯者との連絡係を務めていました。
テサンは武芸に長けていることから、世子に矢を射るなど、実行犯となって活動しています。
クォン尚宮
ヨニが王妃として宮廷に入るときに、侍女として付いてきたのがクォン・ドクシムです。
クォン・ドクシムは王妃付きの尚宮として外部との連絡係を務めていました。
マンドク
マンドクの表の顔は人の良い食堂の主人ですが、実は娘を殺され、復讐を胸に秘めた人物です。
王妃の指示で事件に加担していました。
国巫
国巫はムジン法師にアヘン入りのぼたんの花の香で洗脳され、呪いを実現する殺人事件を起こしました。
4人を殺害して、体に神のお告げの文字を刻むことで新しい世が作れると呪いをかけられていました。
その4文字が「宗」「家」「滅」「李」でした。
シム・ヨン
シム・ヨンは幼い頃、ジェイに助けられミン家で実子のように育てられました。
ムジン法師にアヘン入りのぼたんの花の香で洗脳され、ミン・ホスンを殺害するためにミン一家殺害を実行しました。
チェ尚宮
チェ尚宮はイ・ファンの兄・ウィヒョン世子に長いこと仕えていた尚宮です。
イ・ファンがウィヒョン世子を殺したと信じており、王妃はその恨みを利用して復讐計画に加担させました。
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壮大な復讐計画
「碧川の村が生活できないほど苦しくなったこと、また、その訴えを謀反をみなされ村人が殺され、村が滅びたのは、全て王によるものだ」
これが、碧川の村人の考えでした。
そこで、王妃と老僧が中心となり復讐計画を立てました。
それは。。。
「ヨニのお腹にいた宗家の子供を王にして、李家を滅ぼす」
というものでした。
そのとき、ヨニのお腹の子供が男の子である確証はなかったと思いますが、男の子であることを信じていたのでしょう。
話に無理はありますが、こう考えるとスッキリします。
<復讐劇に関連した人の関係図>
なぜ世子を狙ったのか?
ヨニ(王妃)の息子ミョンアン大君を王にするには、当然、今の世子が邪魔になります。
そこで、ヨニは世子が呪われているとして、呪いの書を実行することで世子を廃位に追い込もうとしました。
実は、イ・ファンが世子になる前に兄のウィヒョン世子がいましたが、右議政チョ・ウォンボの策略により殺害されています。
チョ・ウォンボは己が将来、朝廷を牛耳るためにミョンアン大君を王にしたかったのです。
ヨニ(王妃)とチョ・ウォンボ(右議政)は動機は違いますが、目的は一緒だったのです。
ジェイの家族が殺された理由
ジェイの家族は父ミン・ホスン殺害の犯行に巻き込まれて殺されてのです。
世子の師匠であったミン・ホスンは都を離れ、開城で府尹(従二品)を務めていました。
謎の墓誌を発見する
あるとき、大雨による土砂崩れが起こり、ミン・ホスンの家門の墓所付近から家門とは関係のない墓誌(石碑)が発見されました。
そこには、
「李氏が滅亡し、宋氏が現れて新たな王朝を開く。故ソン・スチョン(宋壽天)丙辰年6月25日、丁巳年3月9日ソン・ヒョン」
と刻まれていたのです。
しかも、墓誌が発見された場所は風水の専門家によると、王が生まれた土地で、すでに、王にに献上されていました。
また、ミン・ホスンはソン・スチョンが逆賊の首領として殺害されたこと、丁巳年3月9日がミョンアン大君の誕生日であることに気づきました。
墓誌の驚くべき真実
宗家の墓誌を王が生まれた土地に隠し、宗家から王が誕生することを願ったのです。
つまり、宗家ソン・スチョンの子供ソン・ヒョンを王にしようとしました。
驚いたミン・ホスンは墓誌をかまどの奥に隠し、友人の左議政ハン・ジュンオンのこのことを記した密書を暗号化して送りました。
王妃はミン・ホスンが計画に気づいたことを知り、ミン・ホスン殺害を決意します。
そこで、洗脳したシム・ヨンを利用して、ミン家全員の殺害を企てました。
ジェイが汁を飲まずに生き残ったのは偶然だったのです。
残る疑問点
大きな流れは分かりましたが、まだいくつか疑問が残ります。
台所あった牡丹の目的
ジェイが家族に汁をよそっていた台所に火のついた牡丹がありました。
この目的は何だったのでしょう。
アヘンは頭をボーっとさせる効果があります。
おそらく、ジェイの頭をボーっとさせ、シム・ヨンがジェイに気づかれずに腕輪の毒を汁に入れるためだったと考えられます。
なぜ、老僧の記憶は曖昧にならない?
アヘンの入った牡丹の香りを一緒に嗅いているのに、なぜ、老僧の記憶は曖昧にならないのでしょうか。
老僧は解毒水を飲みながら洗脳していたのです。
ミョンアン大君を洗脳するときに、老僧がお茶を飲んでいたとハヨン公主が後に述べています。
呪いの書を忍ばせたのは誰?
世子の部屋に呪いの書を忍ばせたのは世子付きのチョ尚宮です。
チョ尚宮は碧川の事件とは関係のない人物で、長い事、亡くなったウィヒョン世子に仕えていました。
ファンがウィヒョンを殺害して世子になった噂を信じており、ファンの廃位を強く望み、恨みを持っていました。
白髪になっていないことから、洗脳はされておらず、王妃に彼女の恨みがうまく利用されたようです。
呪いの書を運んだのはチョ尚宮であり、世子が捨てたジェイの父親宛の密書を拾ったのもチョ尚宮でした。
まとめ
世子を悩ませた呪いの書に関する一連の事件の犯人は中殿(ヨニ)でした。
夫を殺されたヨニが王妃になり、子供を王にすることによって李氏を滅ぼし、宗氏の世を作ることを企てたのです。
壮大な復讐劇は中殿と老僧の計画であり、村人全員による犯罪劇でした。
「全員が復讐に加担していた」という点では、アガサ・クリスティのオリエント急行殺人事件を彷彿させますね。