王様と王妃が埋葬されているお墓を王陸といいます。
韓国に存在する王陵は42基です。
王陵の構造について詳しくご紹介します。
王様のお墓(王陵)の構造
まずは、王陵の一般的な全体構成についてご紹介します。
王陵の全体構成
王様のお墓は大きく3つの空間より構成されています。
・俗世の空間
・祭祀の空間
・死者の空間
参拝に来た人は、俗世の世界の穢(けがれ)を洗い落すために、禁川橋(クムチョンギョ)と呼ばれる橋を渡ります。
俗世と死者の橋渡しの空間の入り口には、紅箭門(フンサルムン)があり、ここから先は王様でも歩いて進むことになります。
死者の道(神道)と生者の道(御道)からなる参道を進むと、丁字閣(チョンジャ)に到着します。
神道は亡くなった王様が通る道です。
また、丁字閣は神主を祭り、祭祀(さいし)を行う場所です。
丁字閣の先が死者の空間になります。
死者の空間の中心には陸寝(ヌンチム)と呼ばれるこんもりと土が盛られたお墓があります。
そして、その周囲には死者を守る様々な石像が飾られています。
王陵の内部構造
韓国の王陸の特徴はこんもりと盛られた盛土です。
これは、封墳(ポンブン)と呼ばれています。
<王陸の外観>
王陸の内部には棺や副葬品を納める玄室(げんしつ)と呼ばれる部屋が造られます。
玄室は朝鮮初期の時代には石室でしたが,世祖以降は灰隔で造成されました。
<単陸の内部構造(断面図)>
灰隔とは三物と言われる石灰,本土,細砂を配合したものを突き固めたもので、時間が経つと石のように固くなるという性質があります。
灰隔は湿気に強く、大きな石を積み上げる負担も少ない利点がありました。
また、灰隔は石材に比べて腐ちた体が早く土に帰れるとも考えられたようです。
単陸はひとつの封墳に玄室が1基、双陵はふたつの封墳にそれぞれ玄室が1基、設けられました。
合葬陵はひとつの封墳に2基の玄室が設けられています。