孝嬪金氏の家系図【母子ともに殺されかけた奴婢出身の側室】

元敬王后の侍女であり奴婢だった孝嬪金氏。

孝嬪金氏とはどんな女性だったのか。

家系図から詳しく調べてみました。

孝嬪金氏の家系図

孝嬪金氏は太宗の妃である元敬王后の侍女として入宮しています。

実は、元敬王后の実家の奴婢でした。

実録でも当初は金氏とだけ記載され、孝嬪と「嬪」の称号が追尊されたのは高宗の時代です。

そのため、孝嬪金氏の先祖の家系は全く分かっていません。

＜孝嬪金氏の家系図＞

 

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殺されかけた母子

孝嬪金氏は元敬王后が王妃になる前から連れてきた侍女でしたが、太宗の寵愛を受け、太宗が即位すると孝順宮主に封じられています。

1402年5月、孝嬪金氏の妊娠が発覚、それを知った閔氏（元敬王后の兄弟）は3ヶ月になると宮廷から追い出しました。

元敬王后の指示があったと言われています。

 

閔氏は行廊房（使用人の部屋）に奴婢の三徳と一緒に住まわせます。

その年の12月3日の朝、孝嬪金氏の陣痛が始まると、閔氏は孝嬪金氏を部屋から外に出し、子供を殺そうとしました。

可哀想に思った兄の和尙が垂木と藁で囲って、風と太陽を遮ったといいます。

辰時（午前7時から9時）に子供が生まれます。

李裶、後の敬寧君です。

 

その後も、母子は迫害を受けましたが、何とか二人は生き延びました。

後の1415年12月21日に、太宗が元敬王后の弟の閔無恤と閔無悔を粛清するときに、孝嬪金氏親子を殺そうとした罪を尋問しています。

太宗は事実を把握していたのです。

 

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孝嬪金氏とはどんな女性だったのか？

元閔氏の奴婢であった孝嬪金氏に関する情報はほとんどありません。

1454年2月26日、孝順宮主は文宗の時代に亡くなりました。

亡くなった時には、米と大豆が20石、紙が80巻、正布20枚と棺が贈られたと実録に記録されています。

 

孝嬪金氏のプロフィール

 

孝嬪金氏の家族

孝嬪金氏の記録に登場する家族は兄一人です。

妊娠して殺されかけたときに、助けた人物として「和尙」の名が記録されています。

関係	名前	生年-没年	備考
父	不詳	不詳
母	不詳	不詳
兄	和尙	不詳
本人	孝嬪金氏	不詳-1454
夫	太宗	1367-1422	第3代王
子女	李裶	1395-1458	敬寧君

 

孝嬪金氏の息子

孝嬪金氏の息子・敬寧君は幼少の頃から聡明で異母弟の忠寧大君などに学問を教えたといいます。

庶子でありながら、太宗、世宗、文宗、端宗、世祖まで5代にわたって国政に関わり忠誠を尽くしました。

 

1416年に僉摠制の金灌の娘と結婚しました。

その後、1417年正憲大夫（正2品）、1425年崇祿大夫（従1品）、1430年大匡輔國崇禄大夫（正1品）と順調に昇格しています。

1419年には上王となった太宗の命令で謝恩使として明に行き、多くの物品を得て帰国しています。

 

1458年9月9日、敬寧君は57歳で亡くなリました。

母親の孝嬪金氏が亡くなって4年後のことでした。

 

まとめ

太宗のドラマによく登場する孝嬪金氏ですが、ほとんどその出生は分かっていませんでした。

妊娠が発覚すると、閔氏に殺されかけたことが実録に記録されています。

この事件はドラマにもよく取り上げられる話ですが、孝嬪金氏が「嬪」に追尊されたのが、高宗の時代だったとは驚きの事実でした。