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朝鮮王朝の歴代王を描いた時代劇ドラマを系図で紹介

本記事では、朝鮮王朝の歴代王の「史実」と「ドラマ」を系図を用いて紐解いていきます。

兄弟や親族間の複雑な権力争いや愛憎劇を理解するには、ドラマ視聴前に系図でキャラクター同士の関係性を理解することが一番です。

本記事では、ドラマと史実を紐解くために系図を中心に解説します。

冷酷な太宗の意外な一面

太宗の時代は、朝鮮王朝の土台が築かれ、その後の500年にわたる繁栄を支えた礎となる重要な時代でした。

しかし一方で、太宗は王権強化のために多くの親族を粛清し、「冷酷な怪物」と評されることもあります。

とはいえ、系図をよく見ると、彼が手を下したのは義理の弟や妻の弟、息子の妻の親族であり、実の兄弟や息子には害を加えていなかったことが分かります。

太宗の外戚排除を示した系図

<太宗の系図:グレー色は粛清された人>

 

このように系図を使って体系的に分析すると、冷酷とされる太宗にも人間らしい一面があった驚きの事実を発見することができました。

なお、このエピソードを詳しく知るには、彼の王位奪取と波乱の人生を史実に基づいて描いたドラマ「太宗イ・バンウォン」がおすすめです。

また、高麗から朝鮮への移行を知りたい方には「鄭道伝」がベストです。

 

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外戚を活用して王権を強化した世祖

世祖の治世は朝鮮王朝の基盤を確立した時代でしたが、王権強化の方法は太宗とは全く異なります。

太宗が外戚を徹底排除したのに対し、世祖は外戚を功臣として迎え、王権の安定を図りました。

 

次の系図を見ると、世祖の意図は一目瞭然です。

世祖の子供たちは韓確や韓明澮といった功臣の家族と結婚しており、孫の成宗にも韓明澮の娘を迎えています。

系図で青色の外戚が見事に一等功臣の親族で埋められています。

世祖の臣下を外戚に取り込んだ系図

<世祖の系図:青色は功臣の子供>

 

<豆知識>外戚と功臣
外戚とは、政治的影響力を持った王室の親族を示し、主に王妃の一族を示します。また、功臣とは国や主君に功績のあった臣下のことを示します。

 

一方で、世祖は功臣への過度な信頼を避け、「五功臣会盟軸」を通じて忠誠を誓わせています。

この軸には世祖を支える157人もの署名が記されていますが、このことから、思いのほか、世祖が裏切りの恐怖に怯えていたと推測されます。

五功臣会盟軸の写真

<世祖に忠誠を誓った五功臣会盟軸>

 

世祖の王位奪取を知るには、ドラマ「王女の男」がおすすめです。

創作要素を含みますが、世祖の冷徹な一面や彼を取り巻く人間関係を描いています。

 

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興宣大院君の策略と王位略奪

高宗の時代は、興宣大院君が王権を取り戻そうとした一方で、外部からは列強諸国の干渉が強まり、繁栄を続けてきた朝鮮王朝の存続が脅かされる時代でした。

次の系図で注目すべき点は、興宣大院君は仁祖の傍系の8代目子孫であり、没落した王族の端くれにすぎませんでした。

王位から程遠い興宣大院君の系図

<王位から程遠い興宣大院君の系図>

 

通常、王になる可能性がなかった傍系の興宣大院君は、父が英祖の孫・恩信君の養子となったことで王位への野心を抱くようになります。

興宣大院君は安東金氏に反発する神貞王后と結託して息子・高宗を王に就けました。

系図で分かるように、第24代王・憲宗と第25代王・哲宗に後継がいなかった状況を巧みに利用したのです。

高宗が策略により王位に就いたことを示す系図

<策略により王位に就いた高宗の系図>

 

しかし、王の父となった興宣大院君は本性を現し、安東金氏を追放して権力を掌握し、神貞王后を無視して独裁的な政治を行うようになりました。

その結果、列強諸国の干渉を防ぐことができず、朝鮮王朝は次第に崩壊への道を歩み始めます。

 

この歴史を知るには、長編ですが、ドラマ「明成皇后」がおすすめです。

また、「緑豆の花」や「ミスターサンシャイン」も、同時代の激動を描いた作品として参考になります。

 

興宣大院君の王権略奪と暴政については>>興宣君(フンソングン)の家系図で知るで詳しくご紹介しています。

 

朝鮮王朝歴代王系図とドラマ

1392年の建国から1910年の日韓併合まで、約500年続いた朝鮮王朝には歴代27人の王がいます。

 

朝鮮王朝をドラマ的な観点で分類

朝鮮王朝はドラマが扱うテーマを中心に、次の8つに分類することができます。

<朝鮮王朝をドラマのテーマで分類>
・朝鮮王朝建国の時代
・文化、科学、経済の黄金時代
・王位略奪と集権強化の時代
・暴政と改革の時代
・内乱と外乱による激動の時代
・党争と王権安定の時代
・改革と文化復興の時代
・朝鮮王朝終焉の時代

 

各時代の概要と関連するドラマをご紹介していきます。( )内はその時代を代表する国王です。

朝鮮王朝建国の時代(太祖、太宗)

太祖が建国した朝鮮王朝を太宗が強力なリーダーシップで国家の基礎を固めた「建国と統治基盤確立」の時代です。

<関連するドラマ>
・太宗・イ・バンウォン
・六龍が飛ぶ
・鄭道伝

 

文化、科学、経済の黄金時代(世宗)

太宗が築いた国家の基盤の上で、世宗が文化的、科学的、経済的な繁栄を築いた朝鮮王朝の黄金時代です。

<関連するドラマ>
・大王世宗
・根の深い木

 

王位略奪と集権強化の時代(世祖)

世祖が甥の端宗から王位を強引に奪い王位に就くと、中央集権体制を強化し、朝鮮王朝の政治的基盤をより一層強固にした時代です。

<関連するドラマ>
・インス大妃
・王女の男
・死六臣

 

暴政と改革の時代(燕山君、中宗)

燕山君が母親の復讐から粛清を繰り返した暴政の時代からクーデターにより擁立さいた中宗が改革により復興を図った時代です。

<関連するドラマ>
七日の王妃
逆賊・ホン・ギルドン

 

内乱と外乱による激動の時代(宣祖、光海君、仁祖)

党争や継承問題で混乱する内政と倭寇や清といった外敵の侵略で国内が荒廃した激動の時代です。

<関連するドラマ>
華政
王の女
王の顔

 

党争と王権安定の時代(粛宗、英祖)

粛宗が党派を交替させる「換局」で、英祖は党派からバランスよく人材を登用する「蕩平策」で党争を沈静化して、王権の安定を図った時代です。

<関連するドラマ>
トンイ
ヘチ王座への道
秘密の扉

 

改革と文化復興の時代(正祖)

正祖が改革を推進して王権を強化、学問と文化の振興に力を入れ、実学思想を奨励した時代です。

<関連するドラマ>
イ・サン
赤い袖先

 

朝鮮王朝終焉の時代(高宗、純宗)

近代化の波と農民の反乱で国内は混乱し、外部からは清、日本、ロシアなど列強の干渉により、徐々に独立性が脅かされ、朝鮮王朝が崩壊に向かっていった時代です。

<関連するドラマ>
風と雲と雨
明成皇后
緑豆の花

 

歴代王系図とドラマ

歴代王の全体系図と関連するドラマを右側にご紹介しています。

歴代王の系図ドラマ名付き(初代王から第17代王)

歴代王の系図ドラマ名付き(第18代王から第27代王)

<歴代王の系図>

各歴代王の詳細な系図はこちらの一覧から探すことができます>>朝鮮王朝の歴代王の一覧【518年続いた王朝の27人の国王】

 

まとめ

朝鮮王朝は数多くの韓国時代劇で描かれ、その波乱万丈の王や人物たちの生涯がドラマの大きな魅力となっています。

本記事で紹介した系図は、単なる人物の関係図を超え、時代の背景や権力構造を紐解く重要な鍵となります。

 

登場人物同士のつながりを視覚的に理解することで、ドラマの物語がより一層身近に感じられるはずです。

特に、歴史好きの方には、史実とドラマが織りなす新たな視点を楽しむきっかけとなり、時代劇初心者の方にもドラマの背景を深く理解する手助けになるでしょう。

 

本記事では、系図を活用して歴史と物語を同時に楽しむ方法を提案しました。

系図を手がかりに、朝鮮王朝の壮大な歴史をより深く探求し、ドラマの凄さ、楽しさを感じて下さい。

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