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イ・サンのウォンビンの死因【元嬪洪氏は実在した幼き側室】

「イ・サン」に登場するウォンビン(元嬪洪氏)は実在した側室です。

兄・洪国栄の策略で13歳で入宮、わずか1年後に急死。死因は、正史に一切記録されていません。その短すぎる人生と、不可解な死の謎に迫ります。

ウォンビンの死因は?

正祖実録に、ウォンビン(元嬪洪氏)が亡くなったことが記録されています。

元嬪 洪氏卒(元嬪洪氏が亡くなる)
<引用:正祖3年(1779年)5月7日>

まだ、14歳の幼き少女でした。死因の記録はありません。

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なぜ、死因が記録されていないのか?

当時の朝鮮王朝では、王妃や側室など王室の女性の死因が記録された例は、ほとんどありませんでした。

また、医療技術の未発達に加え、病状の詳細を記すことが「不敬」とされた背景があります。

特に、今回のような急死は政治的な問題になる恐れもあり、有力者の妹である元嬪洪氏の死因が「不詳」とされたのも、当時の状況を反映していると考えられます。

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洪国栄が王妃の毒殺を疑る

あまりの突然の死に、兄の洪国栄は王妃の毒殺を疑ったとも言われています。イ・サンの母の惠慶宮が書いた「閑中録」には、そのことが克明に記録されています。

洪国栄は妹の突然に死に憤りと疑惑を抑えることができず、王妃の侍女を捕まえて、残酷な拷問を行い、無理やり王妃に罪を着せようとしたといいます。結局、洪国栄は孝懿王后の疑惑を証明できませんでした。

ウォンビンのお墓|降格と改葬

ウォンビン(元嬪洪氏)は最初、洪国栄により「仁明園」(現在の高麗大学付近)に埋葬されました。

しかし、側室の墓に「園」は不適当とされ、1786年に「墓」に降格されています。その後、1950年に西三陵の側室墓に改葬されました。

完豊君を妹の養子にする|洪国栄の思惑

洪国栄は妹の死後、正祖の甥の李湛(イ・タン)を死んだウォンビンの養子にして、世継ぎとしての教育を始めました。このとき、李湛は「完豊君」の称号を得ています。

この行動は「死んだ妹に養子をつけるのはおかしい」と当時から物議を醸していました。学者の間でも、李湛がウォンビンの死後に養子にされた説と、生前から養子にされていた説の両方が存在しています。

いずれにしても、洪国栄の強引な野心によるもので、洪国栄の失脚により完豊君は表舞台から姿を消しています。

ウォンビンの家系図

ウォンビン(元嬪洪氏)は貞明公主の夫(洪柱元)の家系である朝鮮の名門「豊山洪氏」の出身です。

彼女はイ・サンの母・恵慶宮(ヘキョングン)の遠い親戚にあたります。

元嬪洪氏の家系図

当サイト「雲の上はいつも晴れ」が独自に作成した家系図

<元嬪洪氏の家系図>

貞明公主の次男の系統がイ・サンの母の系統、貞明公主の三男の系統がウォンビンの系統になります。

ウォンビンはどんな女性だったのか?

13歳で入宮した際、通常は生母でないと与えられない「嬪」の位を初めから受けたことは非常に異例でした。このことからも、兄・洪国栄の影響力の大きさがうかがえます。

ウォンビンに関する記録はほとんどありませんが、13歳という年齢から考えても、ドラマのような悪女ではなく、あどけない少女であったと推測されます。

<プロフィール>
生年:1766年5月27日
没年:1779年5月7日
享年:14歳
父親:洪樂春(戸曹参判)
母親:牛峰李氏夫人
子女:なし(養子:完豊君)

ドラマ「イ・サン」と史実のウォンビンの違い

次のドラマと史実の違いから、ウォンビンの関係する物語はかなり脚色されたものであることが分かります。

項目 ドラマ 史実
性格 野心的で嫉妬深い側室 性格描写なし
正祖との関係 寵愛の独占を望む 実際の関係性は不明
王妃との関係 王妃に嫉妬。敵対関係 実際の関係性は不明
死因 死因は不明 死因は不明
入宮経緯 洪国栄の政治的策略 洪国栄の政治的策略

ウォンビンを演じたチ・ソンウォン

イ・サンでウォンビン(元嬪洪氏)を演じたのはチ・ソンウォン(現在:ファン・グミ)です。

元嬪洪氏を演じるチ・ソンウォンの画像

<元嬪洪氏を演じるチ・ソンウォン>

2000年代からドラマに出演、時代劇での気品ある演技が印象的です。

<チ・ソンウォンのプロフィール>
本 名:ファン・グミ
生年月日:1980年08月20日
(2025年07月05日現在、44歳)
出身校:東国大学演劇映画科卒業

まとめ

ドラマ「イ・サン」でのウォンビン(元嬪洪氏)はかなり悪者に脚色されていまが、実際のウォンビンはほとんど目立った言動のない側室でした。

13歳で政略の道具として入宮し、わずか14歳で命を落としています。

悪女ではなく、むしろ、野望の塊の兄に利用された悲劇の側室として歴史に名を残すべき存在です。

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