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私の国の実話とは【史実とドラマの違いを徹底検証】

何度刺されても、まるでゾンビのように生き返るフィとソノ。

衝撃の演出が目立つ私の国は実話なのでしょうか?

私の国の時代の実話を調べ、ドラマを徹底検証してみました。

 

私の国の実話

「私の国」の時代は、高麗王朝が倒れ朝鮮王朝が建国された時代です。

ドラマは李成桂(イソンゲ)が遼東地方の征伐に向かうため、武官を集めるころから始まります。

威化島回帰の史実

高麗の王・禑王(ウワン)は李成桂(イソンゲ)に不当な要求をする明の遼東地方を征伐するよう命じます。

李成桂は明が大国であるなどを理由にこの征伐に反対しますが、禑王は征伐を強行しました。

 

実は、遼東地方の征伐の裏には、新興官僚勢力や李成桂ら武人の勢力を衰退させる目的がありました。

そのため、禑王は遠征軍の勝利には興味を示さず、反乱に備えて武将の家族を宮殿に人質にしたと言われています。

 

遠征は難航を極めました。

遼東征伐の途中、威化島での長雨で軍が進めず、李成桂は禑王に撤退を要求します。

しかし、禑王はこれを断固拒否。

そこで遂に、李成桂は大きな決断をします。

禑王を倒す!

 

ついに、李成桂は威化島から軍を引き返してクーデターを起こし、禑王を廃して高麗の権力を掌握してしまいます。

この1388年の政変を歴史上、威化島回帰(ウィファドフェグン)と呼んでいます。

これにより、李成桂一派が絶対的な権力を持ち、高麗の王は名ばかりの王になりました。

 

ドラマでは、ヒジェが男装して「愚かな禑王(ウワン)よ、遼東征伐を断念せよ」の張り紙を貼っていました。

遼東征伐とは、禑王が李成桂(イソンゲ)に命じた明の遼東地方の征伐のことです。

 

また、フィは家族に食べさせる米を得るため、ソノは李成桂の右腕となり新たな国を作るために武科試験を受けます。

この武官試験は遼東地方の征伐に必要な武官を集める試験でした。

 

第一次王子の乱の史実

即位した李成桂は2番目の夫人・神徳王后康氏(シンドクワンフ カンシ)の子供(八男)の李芳碩(イバンソク)に後を継がせようしました。

しかし、最初の夫人の子供である李芳遠(イバンウォン)が猛烈に反発します。

 

1398年、遂に李芳遠は李芳碩を推薦した鄭道伝(チョン・ドジョン)や南誾(ナムウン)を排除して、八男の李芳碩と七男の李芳蕃(イバンボン)を殺害してしまいます。

そして、李芳遠は臣下の反発を恐れてすぐには即位せず、二男の李芳果(イバングァ)を即位させます。

この出来事を「第一次王子の乱」と呼んでいます。

 

ドラマ「私の国」では、史実通りに李芳遠によって、世子をはじめとして、鄭道伝、ナムジョンらは殺害されてしまいます。

酔月堂で襲撃される直前に、姿はハッキリとは見えませんが、鄭道伝がナムジョンと一緒にいました。

 

第二次王子の乱の史実

第一次王子の乱で戦功のあった四男の李芳幹(イバンガン)は李芳遠の自分に対する扱いに不満をつのらせ秘密裏に私兵を強化していきます。

そして、1400年に朴苞(パク ホ)とともに第二次王子の乱を起こしますが、李芳遠に鎮圧されてしまいました。

これを見た第2代国王・定宗の李芳果は譲位し、李芳遠は遂に第3代国王・太宗に即位します。

 

ドラマでは、依然として権力を握っていた上王(太祖)が、世子を餌に李芳遠(イバンウォン)を殺すように李芳幹(イバンガン)を焚き付けます。

そして、李芳幹が遂に動きだします。

李芳幹は李芳遠を狩りに誘いだして、殺害しようとしますが失敗に終わり投獄されてしまいます。

 

これを知った王の定宗は李芳遠を養子にして、世子にすることを上王(太祖)に進言しています。

上王(太祖)もしぶしぶ認めて、李芳遠が念願の世子になります。

 

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私の国はどんな話?

私の国は朝鮮王朝建国の史実をベースにしたフィクションです。

実際に起った出来事である「威化島回帰」「第一次王子の乱」「第二次王子の乱」をベースにして創作されています。

 

朝鮮王朝建国という一大事件を、架空の人物であるフィ、ソノ、ヒジェの3人の若者の目を通して描いているのが特徴です。

フィは家族を食べさせるため武将になり、ソノは新たな国を作るために武将になります。

 

武将になった2人は、フィは李芳遠(イバンウォン)、ソノは李芳遠と対立する父親のナムジョン側に付きます。

そして、史実の「威化島回帰」「第一次王子の乱」「第二次王子の乱」という歴史的な出来事を通して、フィとソノが対立しながら物語が展開されていきます。

 

また、建国に関与した李成桂(イソンゲ)、李芳遠(イバンウォン)という実在の人物を登場させていますが、建国に欠かせない人物である鄭道伝(チョン・ドジョン)を登場させないという挑戦的な作品です。

鄭道伝が登場しない代わりに建国に貢献した人物として、ソノの父親ナムジョンを登場させています。

 

ナムジョンは李成桂が王になることに貢献しますが、一方で李芳遠と激しく対立します。

このように、私の国は歴史的な出来事の史実に従いながら、架空の登場人物を絡ませて、フィ、ソノ、ヒジェの3人の若者の物語を作り上げています。

 

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私の国に登場する実在した人物

朝鮮王朝の建国を扱っているドラマなので、建国に関わった人物が多く登場します。

名前 読み方 李成桂との関係 備考
李成桂 イソンゲ 本人 初代国王・太祖
李芳果 イバングァ 二男 第2代国王・定宗
李芳遠 イバンウォン 五男 第3代国王・太宗
李芳幹 イバンガン 四男
李芳蕃 イバンボン 七男 神徳王后の子供
李芳碩 イバンソク 八男 神徳王后の子供
神徳王后 シンドクワンフ 2番目の夫人

 

初代国王・太祖の李成桂

李成桂(イソンゲ)役は数々の王様を演じたキム・ヨンチョルが演じています。

八男の李芳碩(イバンソク)を寵愛して、野心家の李芳遠(イバンウォン)を排除しようとします。

 

第3代国王・太宗の李芳遠

李芳遠(イバンウォン)を演じたのは個性的な役者のチャン・ヒョクです。

圧倒的な存在感が、六龍が飛ぶのユ・アインとはまた違った李芳遠を作り出しました。

感情を内面に押し殺しながらも、時には外へ爆発させるような演技が印象的でした。

 

アン・ネサンが演じたナムジョンは実在した人物?

ナムジョンという名前は朝鮮王朝建国時に登場する重要な人物にはいません。

実は、私の国には朝鮮王朝建国に関わった大変重要な人物である鄭道伝(チョン・ドジョン)が登場しません。

何回かその名前が語られるだけです。

その代わりに、ナムジョンが李芳遠(イバンウォン)と対立する役目を担っています。

 

つまり、私の国ではナムジョンが鄭道伝に相当する人物として描かれています。

ナムジョンのモデルは鄭道伝の同士である南誾(ナムウン)ではないかと言われています。

詳しくは、私の国のナムジョンは実在した人物?【ナムウンがモデル?】を御覧ください。

 

ヤン・セジョンが演じたソフィは実在したのか?

私の国でヤン・セジョンが演じたソフィは架空の人物です。

ソフィの父親はイ・ソンゲの部下で高麗最強の武将であるソ・ゴムですが、父親は策略にハマり、自決させられてしまいます。

病を患った妹と二人暮らしのソフィは武将として生きる道を選んでいます。

この時代にソフィに相当するような武将はいませんでした。

 

ソフィを演じたヤン・セジョンは「愛の温度」でSBS演技大賞を含む3つの授賞式で新人賞を総なめにした大型ルーキーです。

ヤン・セジョンは人気絶頂期でありながら、私の国のあとに撮影した浪漫ドクターキム・サブ2を最後に入隊を決意しています。

 

そして、2020年5月に兵役のために入隊していましたが、2021年11月15日に無事除隊することができました。

2022年9月24日現在まだ、ドラマへの復帰の情報はありませんが、ドラマへの一日でも早いカムバックが期待されています。

 

私の国の感想

史実を知らないで「私の国」を見るのはゾンビのように生き返るフィとソノの戦いのみが印象に残る物語になる恐れがあります。

朝鮮王朝建国時の史実をあらためて調べましたが、私の国は朝鮮王朝建国時の出来事をかなり忠実に取り入れています。

 

しかも、鄭道伝(チョン・ドジョン)を登場させないという、今までにないかなり挑戦的なドラマです。

本作の制作発表会で演出を手がけたキム・ジンウォンは「歴史の中心人物ではなく、その裏側にいる人物を通して、国がどのように誕生するかを見つめたと語っています。

つまり、フィ、ソノ、ヒジェの若者3人を通して国の誕生が描かれています。

 

しかし、フィの目的が妹の復讐という、あまりにも個人的な目的であり、朝鮮王朝建国という一大事業に、もう少し自然な形で絡んでくれたらよかったと感じました。

 

まとめ

ドラマ「私の国」は朝鮮王朝建国という史実をベースにした創作物語です。

若手人気俳優を主役に据えて、物語としても十分に楽しめますが、史実を知らない日本人には内容を理解するの少し辛いかもしれません。

 

日本人が豊臣秀吉や明智光秀をよく知っているように、韓国人にとって李成桂(イソンゲ)や李芳果(イバングァ)は歴史の教科書にも出てくる人物です。

威化島回帰や第一次王子の乱も韓国人にとっては、よく知られた史実です。

 

私も韓国の歴史を少し勉強してから「私の国」を再度見なおしましたが、登場人物の行動がより理解でき、物語を深く理解することができました。

ドラマをキッカケに少しお隣の国の歴史を勉強してはいかがでしょうか。

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