トンイに登場するムヨルは権力を得るためにはどんな汚い手も使う野心家として描かれています。そんなムヨルを演じたチェ・ジョンファンは、実は彼にとって初めての悪役でした。
この記事では、ムヨルは実在した人物なのか?俳優チェ・ジョンファンとはどんな人物なのか。詳しく解説します。
トンイのムヨルは実在したのか?
トンイの最後の敵となったムヨルは架空の人物です。朝鮮王朝実録や他の史料に彼の名は見当たりません。
「トンイ」では史実の人物と架空のキャラクターを巧みに織り交ぜていますが、ムヨルはその一例です。
ドラマの中でムヨルは暗行御史(アメンオサ)として登場し、その働きが王に認められ、ドラマの後半で宮廷に戻ってきました。
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宮廷に戻ったムヨルは、王命で漢城府(ハンソンブ)の庶尹(ソユン)となります。さらに物語後半では兵曹(ピョンジョ)の参判(従二品)へと出世していきま。
物語の進行に合わせてムヨルの官職や官服の色が変わり、出世していく様子が丁寧に描かれています。
部署 | 官職 | 品階 | 備考 |
漢城府|ハンソンブ | 庶尹|ソユン | 従四品 | 39話 |
兵曹|ピョンジョ | 参判|チャムパン | 従二品 | 46話 |
王直属の密使を務めたムヨルは王から信頼があり親しい間柄だったのです。
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ムヨルの父親もまた架空の人物で、司憲府(サホンブ)の大司憲(テサホン)として第1話に登場します。司憲府は官僚の監察を行う機関で、大司憲はそのトップにあたります。父は南人派の重臣オ・テソクにとって邪魔な存在であり、物語の早々に命を落とす設定となっていました。
ちなみに、トンイでチャン・イクホンを演じたイ・ジェヨンは第1話だけの特別出演ですが、時代劇では常連の俳優さんです。独特の風貌のイ・ジェヨンは時代劇に欠かせない存在で多くの作品に登場しています。イ・ジェヨンは多くの時代劇に出演する異才です。
・朱蒙(2006年)
・イ・サン(2007年)
・トンイ(2010年)
・奇皇后~ふたつの愛 涙の誓い(2013年)
ムヨル役チェ・ジョンファンは王様俳優
トンイでムヨルを演じたチェ・ジョンファンは王様俳優と呼ばれていました。その理由は、「女人天下」では朝鮮第11代王・中宗、「淵蓋蘇文」では高句麗第27代・栄留王、「済衆院」では第26代王・高宗を演じており、王役の印象が強かったからです。
そんな彼にとって「トンイ」のムヨルは初の悪役でした。イ・ビョンフン監督の提案で「かっこよく登場させる」という演出意図のもと、信頼厚い官僚から冷酷な野心家へと見事に変貌する役を演じきりました。
生年月日:1965年09月24日生まれ
(2025年10月13日現在、60歳)
身長:183cm
学歴:ソウル芸術大学演技科卒
芸能界デビュー:「セヤ・セヤ・パランセヤ」
チェ・ジョンファンは大学教授の肩書ももつ俳優さんです。
・トンイ (2010年)
・階伯(ケベク)(2011年)
・六龍が飛ぶ(2015年)
・師任堂、色の日記(2017年)
まとめ
「トンイ」のムヨルは史実には存在しない架空の人物でした。
王から信頼を得る官僚でありながら、裏では権力欲に燃える冷酷な悪役。俳優チェ・ジョンファンにとっては、王役からの大きな転換点となったキャラクターです。
ムヨルを通して、ドラマの中で「架空の人物を加えることで史実をよりドラマチックに描く」イ・ビョンフン監督の演出意図が垣間見えます。