韓国時代劇を代表する脚本家キム・イヨンのおすすめの作品をご紹介します。
キム・イヨンのおすすめの作品
キム・イヨン作品を見るならおすすめの作品は次の5作品です。
どれもキム・イヨンならではのシッカリとしたストーリーの物語です。
2位:トンイ
3位:ヘチ 王座への道
4位:馬医
5位:華政
詳しくご紹介していきます。
初めての時代劇イ・サン(1位)
監督:イ・ビョンフン
出演者:イ・ソジン、ハン・ジミン、イ・スンジェ
最高視聴率38.9%、平均視聴率26.8%
イ・サンは幾度も暗殺の危機を乗り越えて、多くの功績を残した朝鮮王朝第22代王・正祖の波乱万丈の物語です。
脚本家キム・イヨンにとっては初めての時代劇ドラマでした。
また、韓国時代劇の巨匠・イ・ビョンフン監督とも初めてタッグを組んだ作品です。
キム・イヨンが描きたかった正祖
キム・イヨンはこの作品で王である前に人間として立派な人格を持った正祖を描きたかったと言います。
人間味ある正祖を描きたかったんですね。
作品中の奇抜なアイデアは朝鮮王朝時代の生活史に関する資料からもらったそうです。
そのアイデアは白粉を利用して白布を作ったり、茹でたじゃがいもで印を偽造する場面に使われています。
残念だった後悔の残るシーン
アイデアが浮かばず残念だったシーンも。。。
それは、チョン・フギョムが送った刺客が朝鮮一の刺客なのに変装して宮中に入り、簡単にイ・サンに負けてしまうシーンでした。
脚本家として情けなかったと語っています。
確かに、見ている方もちょっと。。。と思いましたよね。
日本で大人気のトンイ(2位)
監督:イ・ビョンフン
出演者:ハン・ヒョジュ、チ・ジニ
最高視聴率29.1%、平均視聴率23.0%
トンイは第19代国王・粛宗の側室となり、後に第21代国王・英祖の母となった実在の人物・淑嬪崔氏の物語です。
キム・イヨンは企画の段階で女官について調べているときに淑嬪崔氏を知りました。
史実に記録のないことが、逆に想像力を掻き立てたといいます。
監督に淑嬪崔氏を提案
早速、イ・ビョンフン監督に「淑嬪崔氏の視点から粛宗の時代を描いてみてはどうか」と提案しました。
50話もある長編なので、最初の身分が低く、波乱万丈の生涯がドラマにマッチすると考えたそうです。
監督も定番の主役である粛宗、張禧嬪、仁顕王后が脇役になるドラマも新鮮で面白いと思いました。
実はチャングムときから、監督は淑嬪崔氏が気になっていたのです。
しかし、ドロドロとした王妃達の権力争いは描きたくなかったと言います。
序盤は視聴者の評判が良くなかった
こうして書き始めたトンイですが、キム・イヨンはトンイの序盤がドラマチックに書きすぎたと反省しています。
トンイの父親と兄が殺されるまでの流れが早すぎて、視聴者も付いてこれなかったのではと感じたそうです。
また、推理小説的な展開の評判も良くなく、慌てて軌道修正したといいます。
監督との衝突から生まれた名場面
イ・ビョンフン監督とはイ・サンに続き2作品目でしたが、最後の2ヶ月は毎日のように衝突していました。
明け方出来上がった脚本をその日のうちに書き直しを命じられることも少なくなかったといいます。
さすがに、「もう書けない!」と弱音を吐いたことも。。。
しかし、何度も書き直した末に出来た名シーンの一つが、王の背中にトンイが乗るシーンでした。
この場面は、キム・イヨンもお気に入りのシーンになりました。
トンイで最も伝えたかったメッセージ
キム・イヨンがトンイで最も伝えたかったメッセージがセリフとして残されています。
それは、
56話でトンイが義理の父に語る言葉です。
ドラマ「トンイ」でキム・イヨンが最も気に入っているセリフです。
俳優と創ったヘチ 王座への道(3位)
監督:イ・ヨンソク
出演者:チョン・イル、クォン・ユル、コ・アラ
最高視聴率9.1%、平均視聴率6.84%
イ・サンの祖父となる第21代国王・英祖(イ・グム)の若き日の姿を描いた物語です。
描きたかったクムの成長
キム・イヨンは身分の低い母親(トンイ)を持ち苦労しながら王となった英祖の波乱万丈の生涯を書きたかったそうです。
キム・イヨンが書いたトンイの実の息子・クムが英祖なんですね。
ドラマの繋がりを頭の隅においてドラマを見るとより面白いと思います。
初めての挑戦的な手法
この作品「ヘチ」はキムイヨンが初めて出演者と対話をしながら創った作品です。
その理由は、登場人物の政治的な立場と心の底の思いに大きな違いがあるので、台本からだけでは解釈が難しいと感じたからでした。
その結果、主役のチョン・イルも従来は、自分一人でああでもない、こうでもないと迷いながら役作りをしていたのが、脚本家と考えることで非常にやりやすかったと語っています。
また、キム・イヨンも俳優自身のアイデアをたくさん取り込むことができたと語っています。
こうして、政治の表面だけではなく、真実にもう一歩踏み込んだリアル感が「ヘチ」の見どころになっています。
初めての医療ドラマ馬医(4位)
監督:イ・ビョンフン
出演者:チョ・スンウとイ・ヨウォン
最高視聴率19.1%、平均視聴率17.3%
朝鮮王朝の時代に、馬医から王の主治医になった実在の人物・ペク・クァンヒョンの物語です。
馬医を制作する段階で、キムイヨンとイ・ビョンフン監督は題材に関して何度も話しあいました。
キムイヨンは最初は医療ドラマを書きたかったそうですが、すでに、チャングム、ホジュンを作って言いたので監督は反対しています。
動物を扱うことで医療物語に決定
しかし、動物という新たな要素を加えることで、ドラマのテーマは再度医療を扱う方向で決まります。
監督も動物を登場させることで、チャングム、ホジュンとは一味違った新鮮なドラマになると思ったようです。
イ・ビョンフン監督以外と初めて組んだ華政(5位)
監督:キム・サンホ
出演者:チャ・スンウォン、イ・ヨニ
最高視聴率:11.8%、平均視聴率:9.88%
朝鮮王朝の第14代国王・宣祖と仁穆大妃の間に生まれた貞明公主の波乱万丈の生涯を描いた物語です。
キム・イヨンにとっては、初めてイ・ビョンフン監督以外とタッグを組んだ時代劇作品です。
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キム・イヨンはどんな人
<ヘチを書いた頃のキム・イヨン>
キム・イヨンは脚本家チェ・ワンギュのアシスタントを努めながら脚本を学びました。
チェ・ワンギュはホジュンや商道の脚本を書いた韓国を代表する脚本家です。
ホジュンと商道の脚本も書いていた
実は、キム・イヨンはホジュンと商道の脚本にも関わっています。
キム・イヨンはラブストーリーがうまく、ホジュンと商道のラブストリーはほとんどキム・イヨンが書いたものとチェ・ワンギュは語っています。
商道の中でタニョンが病気の夫と結婚する話は全てキム・イヨンが書いています。
キム・イヨンのプロフィール
生年月日:1974年2月11日
(2025年02月06日現在、50歳)
血液型:B型
出身地:韓国ソウル市
最終学歴:成均館大学歴史教育学科
キム・イヨンは、2001年に短編ドラマを担当して脚本家デビュー、その後、数多くの人気ドラマを担当しました。
2001年:我が家
2002年:マイラブ・パッチ
2005年:億万長者と結婚する方法
そして、2007年にイ・ビョンフン監督とイ・サンを制作することになります。
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キム・イヨンのエピソード
全て書き直し
イ・ビョンフン監督は気に入らない脚本は何回でも書き直しを命じることで有名です。
大ヒットドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」の脚本を書いたキム・ヨンヒョンも何度も書き直しを命じられたそうです。
キム・イヨンも例外でなく、出来上がった脚本を全て書き直すよう指示されたことは少なくなかっといいます。
さすがのキム・イヨンも最後は弱音を吐いたとか。。。
ストーリーが浮かばずビルの屋上へ
韓国では1週間に2本の物語を書く必要があります。
ところが、キム・イヨンには全くドラマのストーリーが浮かびませんでした。
とうとう、死のうと思ってビルの屋上に30分も立ちつくしたことがあるそうです。
名作を生み出す影には、相当な苦労があるんですね。
キム・イヨンの脚本の特徴
ドラマの7割は脚本家の力量で善し悪しが決まると言われています。
イ・ビョンフン監督はキム・イヨンのことを「ストーリー展開が論理的で緻密、とっても才能がある脚本家だ」と絶賛しています。
解決策を考えないで危機を描く
キム・イヨンの作品の特徴は、主人公が次々に襲いかかる危機を乗り越えて成長していくところにあります。
しかし、キムイヨンは危機の解決策を事前に準備することはありません。
主人公を追い込むだけ追い込んで、そこから抜け出す方法を一緒に考え出す方法をとります。
それは、毎回苦しい作業になり、泣きながら道を探しているといいます。
だから、最良の解決策が見つかったときは胸がスカッとするんですね。
ただ、時には、うまい解決策が見つからないときもあるようです。
その例が、イ・サンが刺客に襲われる場面でした。
チョン・フギョムが送った朝鮮一の刺客がイ・サンに簡単に負ける、なんとも情けない展開になっています。
しかも、刺客が変装して宮殿に忍び込み、刀を隠す脚本には、あまりにもダサくて、後で映像を見て大笑いしてしまったそうです。
心に響く美しいセリフ
キム・イヨンの作り出すセリフは美しく、品格があり、視聴者の心に深く届くセリフです。
残念ながら、私も含めて多くの日本人が韓国語を直接理解できないので、キム・イヨンのセリフを直に感じることはできません。
例えば、イ・サンの中で名セリフと言われるものをピックアップしました。
「民は水で王は船である。船は水無くしてありえぬ」
「孔子にも覚えられぬ文字があり、釈迦にも覚えられぬ念仏がある」
「犬についていけば厠に、虎についていけば森にたどり着くものです。私が厠に行くのか、森に行くのかよく考えてみないと」
「昔から、友は近くに、敵はさらに近くに置けと言いますから」
イ・サンでホン・グギョンを演じたハン・サンジンも、放送後にWeb上にアップされる視聴者が気に入ったホン・グギョン語録が気になっていたようです。
撮影中には、語録に選ばれそうなセリフを力んで言って監督に注意されたこともあったとか。
次の2つはハン・サンジンが特に気に入っているセリフです。
「植え替えすぎた木は大きく育たないものだ。」
まとめ
今や韓国を代表する脚本家のキム・イヨンのおすすめの作品を紹介しました。
トンイ、ヘチ、イ・サンはキム・イヨンが書いた関連するドラマです。
もし、まだ見ていなければ、トンイ、ヘチ、イ・サンの順番に見ることをおすすめします。
キム・イヨンの脚本はどれも、ドラマチックで見るものを飽きさせません。
次々に襲いかかる危機を乗り越えて成長していく主人公を思わず応援したい気持ちになります。
これからも、新作で私達をワクワクさせてほしいですね。